このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/09/03 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
GOOGL(アルファベット) | 230.66 | +9.14% | 検索・広告・AI | 独禁法判決の軽微救済で規制懸念後退 |
SMR(ニュースケール・パワー) | 40.42 | +8.54% | 小型原子炉SMR | TVA×ENTRA1の最大6GW導入計画公表 |
OSCR(オスカー・ヘルス) | 17.68 | +7.61% | デジタル保険・ACA | Wells Fargo会議で通期見通し再確認 |
TGTX(ティージー・セラピューティクス) | 31.71 | +6.66% | バイオ医薬・MS | 既存1億ドル買い戻し完了・新たに1億ドル枠承認 |
CLS(セレスティカ) | 211.87 | +5.60% | EMS・AIインフラ製造 | AIインフラ向けHPS拡大評価・強気リサーチ継続 |
WDC(ウェスタン・デジタル) | 86.00 | +4.99% | データストレージ・HDD/フラッシュ | モルガン・スタンレーTop Pick選定 |
UEC(ウラニウム・エナジー) | 11.51 | +4.83% | ウラン採掘 | 精製・転換子会社設立発表と目標引き上げ観測 |
個人的所感
主役は大型テック、Googleの規制懸念後退。アルファベットは独禁法判決で分社リスク後退、AI連携継続期待の再評価。
原子力関連の需要可視化。TVA×ENTRA1の6GW計画でSMRに資金流入、UECは精製・転換子会社設立と評価引き上げ観測でテーマ継続。
ヘルスケアはイベントと資本政策。OSCRはカンファレンスでのガイダンス再確認、TGTXは新たな1億ドルの買い戻し枠で株主還元強化。
AIインフラとストレージの物色継続。セレスティカはHPS拡大の強気論調、WDCはモルガン・スタンレーのTop Pick選定で需給改善期待。
全体像は、判決・計画・ガイダンス・レーティングといった確度の高い材料に資金集中の様子。
市場インサイト
【分析日】2025/09/03
全体ムード
米株はテック主導の反発でS&P・ナスダック高、ダウ小安のまちまち。背景は グーグル反トラスト判決の最悪回避×弱い雇用指標による利下げ思惑再強化 によるバリュエーション耐性の回復。欧州はストックス600が反発、日本は円安一服でもみ合い下方の調整。
債券は米小幅低下、独横ばい、日本わずかに上昇の 利回り収斂。為替は ドル安一服でユーロ・円が小戻り。コモディティは 金が史上高値圏続伸×原油軟化 の分岐。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
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ダウ | 45,271.23 | -24.58 (-0.05%) | ディフェンシブ偏重の利確とリバランスで小反落。 |
S&P500 | 6,448.26 | +32.72 (+0.51%) | メガテック高と利下げ観測でリスク許容度回復。 |
ナスダック | 21,497.73 | +218.10 (+1.03%) | テック主導の買い戻し優位。 |
日経225 | 41,938.89 | -371.60 (-0.88%) | 金利高観と外需株の戻り鈍化で反落。 |
STOXX600 | 546.72 | +3.37 (+0.62%) | 債券売り一服と資源・ヘルスケア高で反発。 |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.22 % | -6 | 弱い求人指標とイベント前需給で低下。 |
ドイツ | 2.74 % | +0 | 米金利動向を横目に膠着。 |
日本 | 1.64 % | +1 | 政策正常化観測の残存と需給で小幅上昇。 |
為替
- USD/JPY 148.05(-0.19%):米金利低下でドル買い一服の円戻り。
- EUR/USD 1.1660(+0.17%):対ドルでのリスクセンチ回復と利下げ観測の綱引きで小高。
- USD/CNY 7.1400(+0.03%):当局ガイダンス下の狭いレンジ。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
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WTI原油 | $63.95/bbl | -2.49% | OPEC+増産思惑と需要不安による下押し圧力。 |
Brent原油 | $67.60/bbl | -2.23% | 同上、ベンチマークも弱含みの続落。 |
天然ガス | $2.8260/MMBtu | +2.69% | 需給タイト観測とショートカバーの進行。 |
金(現物) | $3,576.59/oz | +1.20% | 雇用軟化・不確実性ヘッジで高値圏。 |
銀 | $41.34/oz | +1.10% | 金高追随と安全資産需要の強含み。 |
銅 | $4.55850/lb | -0.24% | マクロ不透明感と在庫観測の重石。 |
クリプト
- イーサリアム $4,484.10(+1.57%):L2フロー持続と需給タイト化観測による相対強。
- ビットコイン $111,972.53(+0.69%):金利低下と株反発を受けたリスク許容度の戻り。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/09/04(木)米・新規失業保険申請件数—労働需給の緩み確認材料
- 2025/09/05(金)米・雇用統計(8月)—賃金と失業率のバランスが利下げ幅に波及
- 2025/09/05(金)米・ISM非製造業(8月)—需要の粘りと価格指数の趨勢確認
- 2025/09/09(火)中国・貿易統計(8月)—外需の戻りと在庫循環の点検
インサイトまとめ
- クリプトはサイズ抑制下の BTC軸の相対配分 継続が合理的。
- 金利低下×テック復調 の組み合わせによるクオリティ優位継続
- 米10年は4.2%台で上値重さ、中期デュレーションの段階積み増し 妥当
- ドルはイベント待ちで レンジ回帰、ドル円は148前後の売り買い回転
- コモディティは 金の押し目維持×原油の戻り売り のペア構築