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【株テーマ】ブルーアンモニアの詳細と関連銘柄(米国&日本株)

株テーマ ブルーアンモニアの詳細と関連銘柄(米国&日本株)株式テーマ

このサイトは、私(@mifsee)が個人的に学びながら企業分析や銘柄分析を進め、その成果をまとめたものです。

あくまで私の個人的な分析記録であり、内容には誤りや実際と異なる情報が含まれているかもしれません。ご覧になる場合は予めご了承ください。

はじめに

私は、投資銘柄としていろいろな種類がある中で、特にエネルギー銘柄に大きな興味を抱いています。
気候変動、脱炭素、カーボンニュートラルといったキーワードが頻繁に取り上げられる中で、実用的な次世代クリーンエネルギーへは、投資テーマとしても非常に注目度が高いです。

これまでに、再生可能エネルギーを活用した「グリーンメタノール」や、夢の技術であるが実現可能性が見え始めている「核融合発電」について掘り下げて記事にしてきました。

今回は、より身近な素材でありながら、現代の問題解決に適合し、その実現と運用が進められている「ブルーアンモニア」に焦点を当てます。

アンモニアは通常、肥料や身近な化粧品などの化学薬品として利用されていますが、エネルギー用途としてのさらなる活用が期待されています。
ここでは、ブルーアンモニアに潜む投資機会を深掘りしてみたいと思います。

ブルーアンモニアとは何?

ブルーアンモニアとは、化石燃料を原料として製造されるアンモニアで、製造過程で発生する二酸化炭素(CO2)を捕捉・貯蔵する技術(CCS: Carbon Capture and Storage)を用いて、大気へのCO2排出を抑える点が特徴。

この技術によって製造されるアンモニアは「CO2フリー」とされ、エネルギー源としての持続可能性が高まっている。

ブルーアンモニアは特に発電や重工業など、大規模なエネルギーが必要とされる分野での利用が期待されており、火力発電所で石炭の代わりに利用することでCO2排出を大幅に削減が可能。
カーボンニュートラルに向けた移行期のエネルギー源として注目されている。

さらに、ブルーアンモニアは水素の輸送媒体としても利用されることがある。
アンモニアは水素と窒素から成り立っており、水素よりも安全に長距離輸送が可能であるため、エネルギー輸送の効率化に寄与することが期待されている。

今後、ブルーアンモニアの製造技術の進化や、CCS技術の更なる発展によって、より広範な産業での利用が進むことが予測されている。

この技術革新により、環境への負担を減らしつつ、エネルギー需要を持続可能な方法で支えることが可能になる。

ブルーアンモニアはどうやって生成される?

ブルーアンモニアの生成プロセスは、化石燃料(主に天然ガス)を原料として水素を製造し、その水素を窒素と反応させてアンモニアを生成する。

この過程で発生する二酸化炭素(CO2)は、CCS(Carbon Capture and Storage:カーボンキャプチャー&ストレージ)技術を用いて回収され、大気中に放出されないように管理されるためCO2フリーとみなされる。
具体的には、天然ガスから改質プロセスを通じて水素を抽出し、その水素と大気中から取得した窒素をハーバー・ボッシュ法で反応させてアンモニアを合成する。

生成されたアンモニアは、さまざまな用途に利用される前に、発生したCO2は専用の設備で回収・圧縮され、地下に安全に貯蔵される。

この技術により、化石燃料を利用しつつも環境への負担を低減することができるため、ブルーアンモニアは現在のところ、再生可能エネルギーのみに依存するグリーンアンモニアと並んで重要な役割を担っている。

ブルーアンモニアの用途は?

ブルーアンモニアはそのCO2排出を抑制する特性から、多くの用途で利用されている。
主に以下の分野での利用が期待されている。

発電

ブルーアンモニアは火力発電所での使用が進められており、特に石炭に混ぜて燃焼させることで、CO2排出量を削減できるとされている。これにより、既存の火力発電インフラを利用しながら、より環境に優しい方法でエネルギーを生成することが可能になる。

水素の輸送媒体

アンモニアは水素と窒素から成り立っており、安全に長距離輸送が可能であるため、エネルギー輸送の効率化に寄与する。
特に、輸送が難しい水素をアンモニアの形で安全に運搬し、使用地点で再び水素に戻すという手法が研究されている。

化学工業および肥料

アンモニアは化学産業の基本的な原料の一つであり、特に肥料としての需要が高い。
ブルーアンモニアを使用することで、化学製品の製造過程でも環境負荷を低減することが可能になる。
これらの用途は、ブルーアンモニアが環境への影響を考慮しつつ、現在のエネルギーと産業のニーズに応えるための重要な選択肢となる。

カーボンニュートラルへの移行を目指す中で、ブルーアンモニアは今後もさらに重要性を増していくと考えられる。

グリーンアンモニアやグレーアンモニアとの違いは?

ブルーアンモニア、グリーンアンモニア、グレーアンモニアは、それぞれ製造プロセスにおける炭素排出の扱いによって異なる。

グリーンアンモニア

  • グリーンアンモニアは再生可能エネルギー源(太陽光、風力など)を使用して水を電気分解し、得られた水素と大気中の窒素から合成される。
  • 製造プロセスでCO2を排出しないため、最も環境に優しいアンモニアとされる。

ブルーアンモニア

  • 化石燃料(主に天然ガス)を原料とし、製造過程で発生するCO2をCCS(Carbon Capture and Storage:カーボンキャプチャー&ストレージ)技術によって回収、貯蔵する。
  • CO2を大気中に排出せずにアンモニアを製造するが、原料は化石燃料であるため、エネルギー源の再生可能性には欠ける。

グレーアンモニア

  • これも化石燃料を原料としているが、製造過程で発生するCO2を回収せず、大気中に排出する。
  • 現在最も一般的に製造されているアンモニアであり、コストは低いが、環境への負荷が最も大きい。

これらの違いは主に環境への影響と製造コストに関わっている。

グリーンアンモニアは最も持続可能で環境に優しい選択肢だが、技術的な挑戦と高コストが課題である。
一方で、ブルーアンモニアは中間的な選択肢として注目されており、化石燃料依存を減らしながらCO2排出を抑制できる。
グレーアンモニアは最もコストが低いが、環境への影響も大きい。

ブルーアンモニアの市場はどれくらい?将来性は?

ブルーアンモニア市場は非常に高い成長率を示している。
BlueWeave Consulting社による、最近の調査では、2023年の世界のブルーアンモニア市場規模を7,529万ドルと推定している。

2024年から2030年にかけての予測期間中、世界のブルーアンモニア市場規模がCAGR63.12%で成長し、2030年には14億1,824万ドルに達すると予測している。

また、ブルーアンモニア市場は、化石燃料を利用しながらCO2排出を抑制する技術として、クリーンエネルギーの需要増に応えるための鍵となっている。

市場規模と将来性に関して、ブルーアンモニアは世界的に需要が増加しており、多くの国がこの新しいエネルギー源の開発に投資を進めている。

例えば、三井物産はオーストラリア西部で1,000億円以上を投じて年間100万トンのブルーアンモニアを生産する計画を進めており、アラムコはサウジアラビアから日本へのブルーアンモニアの輸送を行う実証試験を開始し、これが成功すれば、ゼロカーボン発電用のアンモニアとして利用される予定となる。

これらの動きは、ブルーアンモニアが持つCO2排出量削減の潜在力と、化石燃料に依存しない未来への重要なステップとなる。

将来的には、ブルーアンモニアの市場はさらに拡大すると見込まれ、特にクリーンエネルギーとしての需要が高まる中で、この市場が大きな成長を遂げる可能性がある。

ブルーアンモニアの生産や利用を推進するための政策や規制は?

ブルーアンモニアの政策や規制には、以下のような取り組みがある。

政策的支援

日本では、エネルギー基本計画の一環として、2030年までに燃料アンモニアを含む水素・アンモニアからのエネルギー供給を目指している。
これにはアンモニアの生産技術開発や供給体制の整備が含まれており、クリーンエネルギーへの移行を促進する政策が設定されている。

技術開発の推進

日本政府は、グリーンイノベーション基金事業を通じて、低コストで効率的なアンモニア生産技術やアンモニアを利用した発電技術の開発をサポートしている。
これにより、アンモニアの社会実装と大規模利用の基盤が整備されつつある。

国際的な連携

大手商社や企業は、国際的なプロジェクトを通じてブルーアンモニアの生産拠点を設立し、グローバルな供給ネットワークの構築を進めてる。
これには、CO2の回収と貯蔵(CCS)技術の適用が含まれ、国際的な環境目標達成に寄与することを目指してる。

これらの政策や規制の導入により、ブルーアンモニアの生産および利用は促進され、クリーンエネルギーへの移行が進むことが期待されてる。

ブルーアンモニアの投資にチャンスはあるか?

ブルーアンモニアへの投資にはチャンスがある。
特に、環境への配慮や持続可能なエネルギー源への移行が求められる中で、ブルーアンモニアは重要な役割を果たすと考えられている。
以下の理由から投資の機会があると言える。

  • 成長する市場:ブルーアンモニアの市場は拡大しており、特に日本や他の国々でのクリーンエネルギー政策により、需要が高まっている。政府の支援とともに、ブルーアンモニアは2030年のエネルギー源としての役割を拡大する見込みである。
  • 大規模なプロジェクト:三井物産はオーストラリアで年間100万トンのブルーアンモニアを生産するために大規模な投資を行うなど、推進されるプロジェクトは、ブルーアンモニア市場の拡大とその商業化への信頼性を示している。
  • 技術開発の進展:ブルーアンモニアの生産技術や利用技術の発展は、投資の魅力を高めている。効率的な製造技術やCO2の回収・貯蔵技術(CCS)の進化は、コスト削減と環境影響の低減を実現し、さらなる市場の拡大を促している。

このような背景から、ブルーアンモニアは将来的な成長ポテンシャルを持つ投資対象として注目されており、特に環境政策が強化されている地域や国でのプロジェクトに注目が集まっている。

投資家は、これらの機会を利用して、新しいエネルギー市場でのポジションを確立することが可能。

ブルーアンモニア関連銘柄(米国株)

ブルーアンモニアに深く関連している企業を挙げます。

CFインダストリーズ・ホールディングス【CF】

CFインダストリーズは、アンモニアの生産において世界をリードする企業。
特にグリーンアンモニアとブルーアンモニアの生産に力を入れている。

この企業はアンモニアを用いたクリーンエネルギーの提供をミッションとして掲げており、米国内外での製造プラントを運営している 。

KBR, Inc.【KBR】

KBRはエンジニアリングおよび建設会社で、ブルーアンモニアの技術提供者としても活動している。
この企業は商業規模のクリーンアンモニア生産プロジェクトでブルーアンモニア技術を提供しており、特にアメリカ南部のメキシコ湾岸での大規模プロジェクトに関与している。

エンブリッジ【ENB】

エンブリッジ (ENB)は、ブルーアンモニアの生産において注目すべき役割を担っている。
Yara International ASAの子会社であるYara Clean Ammoniaと共同で、テキサス州に低炭素ブルーアンモニア生産施設を建設する計画を進めている。

この施設は年間最大2.8百万メトリックトンのアンモニアを生産する能力を持ち、2028年の稼働を目指している 。

このプロジェクトは、自動熱改質技術とカーボンキャプチャー技術を組み合わせることで、アンモニアの低炭素生産を実現することを目的とし、エンブリッジの大規模なインフラ開発経験とYaraのアンモニア生産・運用に関する専門知識を活かし、持続可能なエネルギーソリューションの提供を目指している。
したがって、エンブリッジはブルーアンモニア関連銘柄として非常に有望と言える。

エクソンモービル 【XOM】

エクソンモービルはCFインダストリーズとの提携を通じて、ブルーアンモニアの生産を行っている。この協力は、困難な炭素排出を削減するためのブルーアンモニアの生産に関連している 。

日本国内のブルーアンモニアに関連する企業

東洋エンジニアリング【6330】

東洋エンジニアリングは、炭化水素を含む天然ガスからアンモニアをプラントで生成するプロジェクトに取り組んでおり、製造過程で発生する二酸化炭素の排出を抑制する技術を利用している。
また、イルクツーク石油(IOC)が保有する油田へ発生したCO2を圧入し、油圧層を回復させて産出量の増加につなげる計画も進行中。

さらに、日揮ホールディングスとの間でアンモニア製造プラントおよびアンモニア受け入れ基地のEPC事業に関するアライアンス契約を締結し、燃料アンモニア事業を推進している。
この提携は、燃料アンモニアの社会実装に向けた技術開発を行っていることを示しており、脱炭素社会の実現に向けた貢献が期待されている。

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伊藤忠商事【8001】

伊藤忠商事は、グローバルなエネルギー供給チェーンにおいて、ブルーアンモニアを含むクリーンエネルギーの供給に関与している。ブルーアンモニアの生産および供給に関するプロジェクトを進行中。

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三菱商事【8058】

三菱商事は、国内外でブルーアンモニアを含むエネルギープロジェクトに積極的に取り組んでおり、エネルギー転換と炭素削減を目指している。

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住友商事 【8053】

住友商事は、クリーンエネルギーの取り組みとしてブルーアンモニアの研究と開発に関わっている。これには、国際的な共同開発プロジェクトも含まれている。

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住友化学【4005】

住友化学は、ノルウェーのヤラ・インターナショナル社と共に、クリーンアンモニアの利用促進に関する検討を開始している。
化石燃料を原料としてアンモニアを製造する際、発生するCO2を効果的に管理する技術(CCSを含む)を用いて、CO2排出量を実質ゼロに抑えるブルーアンモニアの生産に注目し、クリーンエネルギー源としてのアンモニアの活用を進め、カーボンニュートラルの実現に貢献することを目指してる。

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IHI【7013】

IHIは、ブルーアンモニアおよびグリーンアンモニアの供給ネットワークの構築に取り組んでいる。これは、供給チェーン全体をカーボンニュートラルにし、迅速にゼロカーボン、循環型経済を実現するために、燃料として十分かつ手頃な価格のアンモニアを確保する必要があると認識しているため。

IHIはまた、アンモニアの貯蔵および燃焼技術を利用して、アンモニアの輸出入設備とアンモニアの燃焼デモを研究している。このようにして、両社の強みを活かし、迅速にグローバルに先進的なアンモニア供給チェーンを構築し、カーボンニュートラリティ社会の実現を目指している 。

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日揮ホールディングス【1963】

日揮ホールディングスは、ブルーアンモニア生産技術の開発に関与しており、INPEX Corporationの「柏崎クリーン水素/アンモニアプロジェクト」において、ブルーアンモニア生産技術の開発を進めている。
このプロジェクトは、新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)による補助事業として認められており、水素の利用および生産技術開発に焦点を当てている 。

このプロジェクトは、再生可能エネルギー源から水素を生産し、その水素をアンモニアに変換する技術を含み、CO2の排出を削減しながらエネルギーのクリーンな利用を目指している。日揮ホールディングスは、この技術を通じて、環境への影響を最小限に抑える持続可能なエネルギー解決策を提供することを目指している。

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ブルーアンモニアに関する課題や懸念事項は?

ブルーアンモニアの課題や懸念事項には以下が含まれる。

  • 高コスト:ブルーアンモニアの生産は、特にカーボンキャプチャーとストレージ(CCS)技術の利用に関連して高いコストが発生する。これは全体的な経済性を低下させる可能性がある。
  • 技術的課題:効率的なCO2回収と長期的な貯蔵には技術的な課題が多くある。CO2の安全な処理と貯蔵の確保が必要。
  • インフラの整備:ブルーアンモニアの広範な利用には適切な供給インフラの構築が求められる。これには大規模な投資と計画が必要。
  • 環境影響:化石燃料に依存しているため、完全なカーボンニュートラルへの移行には限界があるとの懸念がある。

これらの課題に対処するためには、技術の革新、コスト削減、規制の強化が鍵となる。

まとめ

ブルーアンモニアの投資テーマとしての魅力、メリット、デメリットを含め、その仕組みや取り組みの現状を深く掘り下げて調査しました。

当初は米国株を中心に銘柄選択を行っていましたが、エネルギー分野における日本企業の活発な取り組みや、プロジェクトの大幅な進展も明らかになりました。

アンモニアを使用した発電は、CO2を排出しないという魅力だけでなく、既存の火力発電のインフラを利用して運搬や発電が行えるため、現実的かつ魅力的な代替エネルギー源と言えます。

個人的には、エンブリッジ(ENB)の高配当が魅力的でポートフォリオに加えていましたが、ブルーアンモニアプロジェクトの今後の展開を踏まえ、さらなる株の買い増しを検討しています。

 

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