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- はじめに
- ジョビー・アビエーション(JOBY)とは何の会社、どのような事業をしている?
- ジョビー・アビエーション(JOBY)の主力サービスは?
- ジョビー・アビエーション(JOBY)のビジネスモデルは?
- 取引市場は?
- ジョビー・アビエーション(JOBY)のセクター、業種、属するテーマは?
- 配当は?
- ジョビー・アビエーション(JOBY)の競合企業は?
- ジョビー・アビエーション(JOBY)が属する業界の規模と成長性は?
- ジョビー・アビエーション(JOBY)の競合との差別化要素と優位性は?
- ジョビー・アビエーション(JOBY)の主要な提携とパートナーシップは?
- ジョビー・アビエーション(JOBY)のFAA認証・商用運航に向けた進捗は?
- 空飛ぶクルマ業界の課題とジョビーの対応は?
- ジョビー・アビエーション(JOBY)の業績について
- ジョビー・アビエーション(JOBY)の株価
- ジョビー・アビエーション(JOBY)の将来性と今後の株価見通しは?
- ジョビー・アビエーション(JOBY)の2025年度Q1決算サマリー
- ジョビー・アビエーション(JOBY)の株を買える証券会社は?
- まとめ
はじめに
ジョビー・アビエーション(JOBY)は、アメリカを拠点に電動垂直離着陸機(eVTOL)とエアタクシーサービスを開発する注目の企業です。
2026年の商業サービス開始を目指し、都市部での新しい移動手段として話題を集めています。トヨタから5億ドルの追加投資を受けるなど、大手企業からも高い評価を得ており、ドバイでの商業運航準備作業も順調に進んでいます。
この企業が注目される背景には、従来の交通手段では解決できない都市部の渋滞問題を、空中移動で解決する革新性があります。電動で静音性に優れ、ゼロエミッションでの運航を実現する技術は、次世代のモビリティソリューションとして大きな期待を集めています。
ここでは、ジョビー・アビエーション(JOBY)の事業内容、主力サービス、ビジネスモデル、属する市場の成長性、競合優位性、株価の動向、そして将来性までを深く掘り下げます。
次世代モビリティとクリーンエネルギーの投資銘柄に興味をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。
ジョビー・アビエーション(JOBY)とは何の会社、どのような事業をしている?
ジョビー・アビエーション(JOBY)は、アメリカの次世代航空輸送企業であり、電動垂直離着陸機(eVTOL)を用いたエアタクシーサービスの開発・運営を主軸とする。
2009年にJoeBen Bevirtによって設立された同社は、従来の地上交通の限界を超える都市部エアモビリティの実現を企業ミッションとしている。滑走路を必要とせず垂直離着陸が可能な電動航空機により、都市部での新しい移動体験を提供することを目指している。
同社の航空機は、パイロット1名と乗客4名を搭載し、最高時速320km(200mph)での飛行が可能である。航続距離は最大161km(100マイル)で、運航時は従来のヘリコプターと比較して格段に静音性に優れ、ゼロエミッションでの運航を実現している。
主な顧客は、都市部での移動時間短縮を求める個人利用者や、緊急搬送・物流サービスを必要とする法人顧客である。注目すべきは、ジョビー・アビエーションが現在、アメリカ連邦航空局(FAA)による型式証明取得に向けた最終段階にあることである。
さらに、同社はドバイ、アブダビなどの中東地域での商業運航計画を進めており、2026年の商業サービス開始を目標としている。これは単なる技術実証を超えた、実用的な都市交通インフラとしての本格展開を意味している。
ジョビー・アビエーション(JOBY)の企業情報は以下。
- 会社名:Joby Aviation, Inc.
- 設立年:2009年
- 本社所在地:カリフォルニア州 サンタクルーズ
- 代表者:JoeBen Bevirt(創設者兼CEO)
- 公式サイト:https://www.jobyaviation.com
- 主な事業内容:eVTOL航空機の開発・製造、エアタクシーサービスの運営、航空機技術の研究開発
ジョビー・アビエーション(JOBY)の主力サービスは?
ジョビー・アビエーション(JOBY)の主力サービスは以下の通り。 同社は次世代航空技術の分野において、革新的な電動航空機とそれを活用した包括的なモビリティサービスを展開している。
エアタクシーサービス
都市部エアモビリティ(UAM)
ジョビーの中核となるサービスは、都市部でのオンデマンド航空輸送サービスである。
- 垂直離着陸による柔軟な運航
- 最高時速200mph、航続距離100マイルの高性能飛行
- 従来の45分の車移動を12分に短縮する時間効率
- アプリベースでの簡単予約システム
電動垂直離着陸機(eVTOL)の製造・販売
次世代航空機の設計・生産
ジョビー・アビエーションは、独自の技術を用いた電動航空機の設計・製造・販売も行っている。
- 6基の電動モーターを搭載した独自設計
- ゼロエミッション運航によるクリーンな航空輸送
- 会話レベルの静音性(65デシベル以下)
- パイロット1名+乗客4名の搭載能力
航空技術ソリューション・研究開発
政府機関・企業向けの先進航空技術提供
単なる航空機製造にとどまらず、eVTOL技術全般における技術的支援やソリューション提供もジョビーの重要な事業である。
- 米国防総省・空軍との技術開発契約
- NASAとの先進航空モビリティ研究
- 水素電動航空機の技術開発
- 自律飛行システムの研究開発
これらの主力サービス群は、単なる航空機メーカーとしての枠を超え、次世代都市交通インフラの全体設計者としての役割を担っている点が特徴である。同社のサービスは、従来の地上交通の限界を打破し、持続可能で効率的な都市モビリティの実現を目指している。
ジョビー・アビエーション(JOBY)のビジネスモデルは?
ジョビー・アビエーション(JOBY)のビジネスモデルは、主にエアタクシーサービスの直接運営、航空機の販売、地域パートナーシップの3本柱で構成されている。同社は単なる航空機メーカーではなく、包括的な都市エアモビリティプラットフォームの構築を目指している。
エアタクシーサービス運営による収益
ジョビーは、自社で運営するエアタクシーサービスから直接的な運賃収入を得るビジネスモデルを採用している。
- 主要都市での定期路線およびオンデマンドサービス
- アプリベースの予約システムによる利用者からの運賃収入
- ドバイ、アブダビでの独占運営権に基づく安定収益基盤
- プレミアム都市交通サービスとしての高付加価値料金設定
航空機販売による収益
eVTOL航空機そのものの製造・販売事業も、ジョビーの重要な収益源の一つである。
- 他の航空サービス事業者への機体販売
- 政府機関(防衛省、NASA等)向けの特殊仕様機の納入
- リース契約による長期安定収入の確保
- 保守・メンテナンスサービスの提供
戦略的パートナーシップによる収益
同社は大手企業や政府機関との戦略的提携を通じて、多角的な収益を確保している。
- トヨタからの5億ドル投資に伴う製造技術提携
- デルタ航空との運航ネットワーク構築
- ウーバーとの既存配車サービスとの統合
- 各国政府との規制認証に向けた共同開発
ジョビー・アビエーションのビジネスモデルは、従来の航空機産業の枠を超えた包括的なモビリティ・エコシステムの構築にある。同社の特異性として、技術開発から運営サービスまでを垂直統合することで、新興市場における主導権確保と収益最大化を図っている点が、既存の航空機メーカーとの差別化要因として機能している。
取引市場は?
ジョビー・アビエーション(JOBY)は、NYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場しており、ティッカーシンボルは「JOBY」。
NYSEは世界最大の証券取引所として知られ、特に大型かつ成熟した企業が多く上場している市場である。 JOBYのような次世代モビリティや革新技術を展開する企業にとって、国際的な機関投資家や長期投資家からの資金調達や信頼性向上において最適な取引所といえる。
ジョビー・アビエーション(JOBY)のセクター、業種、属するテーマは?
ジョビー・アビエーション(JOBY)は、その事業内容と市場位置づけから、以下のセクター・業種・投資テーマに分類される。
セクター:テクノロジー
ジョビー・アビエーションは、電動航空機の技術開発とデジタルプラットフォーム運営を主軸とし、広義のテクノロジーセクターに属する。航空宇宙産業の枠を超え、電動推進、自律飛行、IoTなどの先端技術を統合した次世代企業として位置づけられている。
- 電動推進システムの革新技術を開発・実装
- デジタルプラットフォームによる統合モビリティサービス
業種:都市エアモビリティ(UAM)・次世代航空輸送
JOBYは、テクノロジーセクターの中でも「都市エアモビリティ」という新興業種に属する。
- eVTOL航空機の設計・製造・運営を統合
- 従来の航空輸送とは異なる都市内短距離移動に特化
- 垂直離着陸技術による革新的な交通インフラの構築
属するテーマ:次世代モビリティ/クリーンエネルギー/スマートシティ
ジョビー・アビエーションの投資対象としての魅力は、複数の成長テーマとの親和性の高さにある。
- 次世代モビリティ:自動車に次ぐ新しい移動手段として、都市交通の概念を根本的に変革する可能性を秘めている
- クリーンエネルギー:電動推進によるゼロエミッション運航で、ESG投資対象として環境意識の高い投資家から注目される
- スマートシティ:IoTとデジタル技術を活用した統合都市交通システムの中核技術として期待される
- 航空宇宙技術:従来の航空産業を革新する破壊的技術として、長期的な技術革新投資のテーマとなっている
このように、ジョビー・アビエーションは複数の成長テーマと重なり合うことで、投資対象としての注目度を高めている。特に次世代モビリティとクリーンエネルギーといった長期的視野を持ったテーマとの親和性が高い点が特徴である。
配当は?
ジョビー・アビエーション(JOBY)は現在、配当を実施していない。 その理由は明確で、同社は成長戦略を最優先とし、収益の大部分を再投資に充てているため。特に、2026年の商業サービス開始に向けたeVTOL航空機の認証取得、製造体制の拡充、サービス運営インフラの整備など、大規模な設備投資や研究開発支出が続いている。
ジョビー・アビエーション(JOBY)の競合企業は?
ジョビー・アビエーション(JOBY)が属するeVTOL・都市エアモビリティ市場は、技術的参入障壁が極めて高いものの、複数の有力企業が激しい競争を繰り広げている。 航空機設計、電動推進、自律飛行といった各技術領域において、一定の競争が存在している。
主な競合企業
- アーチャー・アビエーション(ACHR):アメリカを拠点とするeVTOL開発企業。ユナイテッド航空やサウスウエスト航空との戦略提携を強みとし、2025年の商業サービス開始を目指している。
- リリウム(LILM):ドイツの電動航空機企業。36基の小型ダクテッドファンを用いた独自のジェット推進技術を開発。長距離飛行に特化した設計で差別化を図る。
- イーハン(EH):中国を拠点とする自律飛行eVTOL企業。無人運航による商業サービスをいち早く実現し、中国での量産認可を取得している先行企業。
- ボロコプター(非公開):ドイツの都市エアモビリティ企業。EASAからの認証進展とヨーロッパでの実証飛行により、欧州市場での地位を確立している。
- ベータテクノロジーズ(非公開):アメリカの電動航空機企業。UPSとの物流配送契約により、貨物輸送分野での実績を積み上げている。
ジョビー・アビエーション(JOBY)が属する業界の規模と成長性は?
ジョビー・アビエーション(JOBY)が属するeVTOL・都市エアモビリティ業界は、従来の航空産業の枠を超えた革新的な成長市場として、今後爆発的な拡大が見込まれている。以下に、関連市場ごとに規模と成長性を解説する。
eVTOL航空機市場の規模と成長性
- 世界のeVTOL航空機市場は、2023年時点で約17億ドル規模と推計されており、まだ黎明期にある新興市場である。
- 市場は急速な技術進歩と規制整備により、年平均成長率(CAGR)は36.8%という驚異的な成長率が予測されている。
- 2033年には約390億ドル規模にまで拡大すると予測されており、10年間で約23倍の市場拡大が見込まれている。
都市エアモビリティ(UAM)市場の成長性
- 都市エアモビリティ市場全体では、2025年の430億ドルから2034年には866億ドルへの成長が予測されている。
- 年平均成長率は8.1%と堅調な成長が期待され、都市部での交通渋滞解決手段としての需要が拡大している。
- 特に北米・欧州・アジア太平洋地域での導入が進み、地域的な市場拡大が加速している。
成長ドライバー
- 都市化の進展と交通渋滞問題:世界的な都市化により、従来の地上交通では対応困難な移動需要が増大
- 環境規制の強化とESG投資の拡大:ゼロエミッション航空機への需要が政策的にも支援される
- 技術革新の加速:バッテリー技術、電動推進、自律飛行システムの急速な進歩
- 規制環境の整備:FAA、EASA等の航空当局によるeVTOL認証フレームワークの確立
- 大手企業の参入と投資:トヨタ、エアバス、ボーイングなどの大手企業による巨額投資
特にeVTOL市場はまだ商業化初期段階にあるものの、ジョビー・アビエーションはその中で認証取得と商業運航開始に最も近いポジションを築いており、今後の業界成長の中心プレイヤーとなる可能性が高い。
ジョビー・アビエーション(JOBY)の競合との差別化要素と優位性は?
ジョビー・アビエーション(JOBY)は、eVTOL・都市エアモビリティ市場において競合企業が限られる中で、技術、認証進捗、戦略的提携、運営体制の面で際立った差別化要素を有している。以下に主な優位性を分類して解説する。
技術的差別化:実証済みの飛行性能と静音技術
- ジョビーは累計3万マイル以上の実機飛行実績を持ち、競合他社を大きく上回る技術実証経験を有している。
- 独自の6基電動モーター設計により、会話レベル(65デシベル以下)の静音性を実現しており、都市部での運航に必要な騒音基準をクリアしている。
- 最高時速200mph、航続距離100マイルという実用性の高い性能仕様を、実機による飛行で実証済みである点で技術的信頼性において優位に立っている。
認証取得と規制対応の先行優位性
- FAA(米国連邦航空局)の型式証明取得において、5段階中4段階目まで進捗しており、競合他社に比べ認証取得で大きくリードしている。
- ドバイ、アブダビでの商業運航独占契約を既に締結済みで、2026年からの実際のサービス開始に向けた具体的な道筋を確保している。
- 国際的な規制当局との協力体制を構築しており、グローバル展開に向けた認証戦略で他社を先行している。
戦略的提携とエコシステム構築力
- トヨタからの総額8.94億ドルの投資を確保し、製造技術とサプライチェーンにおいて世界最高レベルのパートナーシップを構築している。
- デルタ航空、ウーバーといった既存交通インフラ企業との提携により、顧客基盤とサービス統合の基盤を確保している。
- 政府機関(NASA、米国防総省)との契約実績により、民間と政府の双方から信頼される技術力を証明している。
垂直統合型ビジネスモデルの優位性
- 他社が航空機販売に特化している中、ジョビーは航空機製造からサービス運営まで垂直統合したビジネスモデルを採用している。
- 製造・運営・メンテナンスを一体化することで、収益機会の最大化と品質管理の一元化を実現している。
- 自社運営により蓄積される運航データとノウハウが、技術改良と安全性向上の継続的なフィードバックループを生み出している。
これらの要素により、ジョビー・アビエーションは現在、都市エアモビリティ市場において包括的な競争優位を築いており、今後の市場拡大とともに持続的な成長を実現する可能性が高い。
ジョビー・アビエーション(JOBY)の主要な提携とパートナーシップは?
ジョビー・アビエーション(JOBY)の成功戦略において、戦略的パートナーシップの構築は重要な柱の一つである。同社は単独での事業展開ではなく、各分野での最適なパートナーとの連携により、技術開発から商業運営まで包括的なエコシステムを構築している。以下に主要な提携関係を分析する。
製造・技術開発パートナーシップ:トヨタとの戦略的提携
ジョビーにとって最も重要な提携は、トヨタ自動車との包括的パートナーシップである。
- 総額8.94億ドルの戦略投資:2020年のシリーズC投資に始まり、2024年には追加で5億ドルの投資を決定。これによりトヨタはジョビーの最大外部株主となっている。
- 製造技術と品質管理の移転:トヨタ生産システム(TPS)のベストプラクティスをeVTOL製造に適用し、高品質・高信頼性・厳格なコスト基準を満たす量産体制を構築。
- サプライチェーン統合:トヨタは重要なパワートレインおよび作動コンポーネントの長期供給契約を締結し、ジョビーのカリフォルニア州サンカルロス製造施設への部品供給を担当。
- 共同技術開発:日本での実証飛行や商業運航準備において、両社の技術的専門知識を統合した協力体制を構築している。
航空業界パートナーシップ:既存交通ネットワークとの統合
デルタ航空との戦略的提携は、ジョビーの商業化戦略の中核である。
- マルチシティ商業・運営パートナーシップ:アメリカおよびイギリスでの空港間輸送サービスにおいて5年間の相互独占契約を締結。
- サービス統合:デルタ航空の顧客基盤とネットワークを活用し、既存の航空輸送とエアタクシーのシームレスな接続を実現。
- インフラ共有:デルタ航空のハブ空港でのvertiport設置や地上サービスの共有により、運営効率を最大化。
ヴァージン・アトランティック航空との新規提携(2025年3月発表)により、イギリス市場での展開を強化している。
- イギリス全土での運航権:ヒースロー空港とマンチェスター空港を拠点とした地域・都市間接続サービスの独占運営。
- 規制当局との協力:イギリス民間航空局(CAA)との認証作業において、ヴァージンの経験と影響力を活用。
- マーケティング統合:ヴァージンのアプリ・ウェブサイトを通じたジョビー機の予約システム統合により、顧客獲得を効率化。
政府機関・軍事パートナーシップ:技術的信頼性の確立
アメリカ国防総省・空軍との契約により、ジョビーは政府レベルでの技術的信頼を獲得している。
- エドワーズ空軍基地への機体納入:2024年第4四半期に2機目の航空機を納入し、軍事用途での実証試験を実施。
- 水素ハイブリッド技術の開発:国防総省との契約により、561マイルの水素電動飛行を実現し、次世代推進技術での先行優位を確立。
- NASA との先進航空モビリティ研究:連邦航空局との認証作業と並行し、技術革新と安全性向上の研究開発を推進。
中東・国際展開パートナーシップ
アブドゥル・ラティフ・ジャミール(Abdul Latif Jameel)との戦略的覚書(2025年6月)により、中東市場への本格参入を開始している。
- サウジアラビア市場での独占販売権:最大200機・約10億ドル規模の航空機販売および関連サービス契約を締結。
- Vision 2030との連携:サウジアラビアの国家戦略と歩調を合わせ、同国の都市変革と社会経済成長に貢献。
- 地域統合サービス:販売・運航・アフターマーケットサービス(MRO)・パイロット訓練まで包括的な事業展開を計画。
ドバイ・アブダビでの商業運航独占契約により、2026年からの世界初商業サービス開始の基盤を確保している。
これらの多角的パートナーシップにより、ジョビー・アビエーションは単独では実現困難なグローバル規模での事業展開と技術革新を同時に推進している。特に、製造パートナーシップ(トヨタ)、市場アクセス(航空会社)、技術信頼性(政府機関)、地域展開(国際企業)という4つの軸での戦略的提携は、同社の持続的競争優位の源泉となっている。
ジョビー・アビエーション(JOBY)のFAA認証・商用運航に向けた進捗は?
ジョビー・アビエーション(JOBY)のFAA認証進捗は、eVTOL業界全体を牽引する先行指標として注目されている。同社は5段階の型式証明プロセスにおいて、業界で唯一4段階目まで到達しており、商用運航開始に最も近い位置にある。以下に詳細な進捗状況を分析する。
FAA型式証明の5段階プロセスと現在の進捗状況
第1段階:認証基準(Certification Basis)【完了】
- ジョビーは業界初として認証基準を確立し、連邦官報に公表された最初のeVTOL企業となった。
- 安全規則の規制意図を定義し、FAA認証の基礎フレームワークを構築。
第2段階:適合手段(Means of Compliance)【完了】
- 2023年2月に完了を発表。業界初の到達企業として位置づけを確立。
- 第1段階で定義された安全規則の規制意図を満たす方法を特定。
- 94%の適合手段がFAAに承認され、残り6%は設計変更に対応するため意図的に残された。
第3段階:認証計画(Certification Plans)【完了】
- 2024年2月に業界初として完了を発表。3段階到達はジョビーが唯一。
- 構造・機械・電気システム全体を網羅する認証計画を提出。
- サイバーセキュリティ、ヒューマンファクター、騒音に関する認証アプローチも承認。
- 商用利用に向けた航空機のあらゆる側面を認証するテストと分析の詳細を確定。
第4段階:テストと分析(Testing and Analysis)【進行中・40%完了】
- 2024年12月にTIA(Type Inspection Authorization)下での初回FAA試験を実施。
- FAA適合飛行デッキを使用したシミュレーター試験:4名のFAAテストパイロットが3日間にわたりヒューマンファクター認証試験を完了。
- 主要空力構造のFAA認証試験:FAA適合テール構造の静的負荷試験を初回実施し、主要構造物の認証テストで業界初の成果。
- 2025年のTIA飛行試験開始予定:カリフォルニア州マリナ施設で製造中のFAA適合初号機による実機飛行試験を計画。
- コンポーネントレベル認証:2023年第4四半期に30項目のFAA認証試験(飛行電子ユニット・構造材料)を完了。
第5段階:実証と検証(Show and Verify)【一部開始】
- TIA試験の開始により、最終認証段階への部分的移行を実現。
- 商用旅客サービス開始への最終ステップとして位置づけられる。
FAA以外の規制認証進捗
Part 145修理ステーション証明書
- FAAから取得済みで、航空機の特定保守活動を実施可能。
- 商用エアタクシーサービス運営への重要な前提条件をクリア。
国際認証への展開
- 日本民間航空局(JCAB):FAA型式証明の有効性確認を正式申請済み。トヨタとの提携によるアジア市場展開を準備。
- イギリス民間航空局(CAA):2022年7月に航空機の使用検証を正式申請。ヴァージン・アトランティックとの提携によるヨーロッパ市場参入を推進。
- UAE当局:ドバイでの2026年商業運航開始に向けた認証作業を並行実施。
商用運航開始に向けた具体的スケジュール
2025年中頃:ドバイへの航空機納入
- ドバイでの商用運航開始前の最終飛行試験実施。
- 中東地域での運航環境に適応した最終調整作業。
2025年後半〜2026年前半:初回旅客サービス開始
- ドバイ・アブダビでの世界初商業eVTOLサービス開始予定。
- アメリカでのFAA認証完了と並行した国際市場での先行商業化。
2026年以降:本格商業展開
- アメリカ国内での商業サービス開始。
- デルタ航空・ヴァージン・アトランティックとの統合サービス運用開始。
ジョビーのFAA認証進捗は、技術的実証から実用化への転換点を示している。特に2024年12月のTIA開始は、eVTOL業界全体にとって歴史的マイルストーンであり、同社が「認証取得に最も近い企業」から「商業運航目前の企業」へと進化していることを証明している。
空飛ぶクルマ業界の課題とジョビーの対応は?
空飛ぶクルマ(eVTOL)業界は革新的技術と巨大な市場機会を有する一方で、技術的・規制的・社会的な複数の構造的課題に直面している。ジョビー・アビエーション(JOBY)は業界リーダーとして、これらの課題に対し包括的かつ先進的な対応策を展開している。
技術的課題:バッテリー技術とエネルギー密度の限界
業界全体の課題
- エネルギー密度の制約:現在のリチウムイオンバッテリーは300Wh/kg程度で、長距離飛行と重量制約の両立が困難。
- 急速充電の必要性:商業運航では高頻度フライトのため、短時間での充電完了が必須。
- バッテリー寿命と安全性:航空用途では自動車用よりも高い安全基準と長期耐久性が要求される。
ジョビーの対応戦略
- シリコンアノード技術の活用:次世代バッテリーセルでエネルギー密度向上と急速充電能力を同時実現。従来のグラファイトアノードに比べ放電容量と低SOC時の電力供給を大幅改善。
- 水素ハイブリッド技術の開発:2024年に561マイルの水素電動飛行を実証し、従来のバッテリー限界を突破する長距離飛行能力を確立。
- 専用航空バッテリーの開発:自動車用バッテリーをそのまま転用するのではなく、安全性・電力・エネルギー・サイクル寿命・充電時間・コストの最適バランスを実現する航空専用セルを開発。
規制・認証課題:新しい航空カテゴリーの制度整備
業界全体の課題
- 規制フレームワークの未整備:eVTOLは既存の航空機カテゴリーに適合せず、新たな認証基準が必要。
- 国際的な認証調和:FAA、EASA、JCAB等の規制当局間での基準統一が未完了。
- パイロット資格基準:従来のヘリコプターと固定翼機のどちらにも該当しない新しい操縦資格の確立が必要。
ジョビーの対応戦略
- 規制当局との密接な協力:FAA、EASA、CAA、JCABと早期から協力関係を構築し、認証基準策定に積極的に参画。業界で唯一、複数の規制当局との並行認証作業を進行。
- powered-liftカテゴリーの確立に貢献:FAA認証プロセスの先駆者として、新しい航空機カテゴリーの制度設計に実質的に関与。
- 国際認証戦略:アメリカでの基準認証を基盤に、相互認証協定を活用した効率的なグローバル展開を実現。
インフラ課題:vertiport整備とエアスペース統合
業界全体の課題
- vertiport不足:都市部での離着陸施設が絶対的に不足。既存ヘリポートでは商業運航の需要に対応困難。
- エアスペース統合:既存航空交通システムとeVTOLの安全な共存が技術的に複雑。
- 電力インフラ:充電施設の電力容量確保と配電網への負荷分散が課題。
ジョビーの対応戦略
- 段階的インフラ展開:初期は既存空港・ヘリポートを活用し、市場成熟に応じて専用vertiportを拡充する現実的アプローチ。
- 戦略的パートナーシップ:デルタ航空のハブ空港、ヴァージンのヒースロー・マンチェスター空港利用により、既存インフラの最大活用。
- UTM(Unmanned Traffic Management)技術の開発:IoTとデジタル技術を統合し、既存航空交通と調和したスマートエアスペース管理システムを構築。
社会受容性課題:騒音・安全性への懸念
業界全体の課題
- 騒音問題:都市部運航では住民の騒音懸念が運営許可の障壁となる可能性。
- 安全性への不安:新技術に対する公衆の心理的抵抗と事故発生時の業界全体への影響。
- 価格アクセシビリティ:初期段階の高価格設定による利用者層の限定。
ジョビーの対応戦略
- 業界最高水準の静音性:65デシベル以下(会話レベル)の静音設計により、都市部での社会受容性を確保。従来ヘリコプターの大幅な騒音削減を実現。
- 徹底的な安全実証:累計3万マイル以上の実機飛行実績により、技術的信頼性を具体的データで証明。
- 段階的価格戦略:初期はプレミアムサービス、普及期にはライドシェア並み価格設定で市場拡大を計画。
事業継続性課題:資金調達と収益化
業界全体の課題
- 膨大な開発投資:認証取得までに数百億円規模の投資が必要で、多くの企業が資金枯渇のリスクに直面。
- 市場立ち上げ期の収益性:初期運航では高コスト・低稼働により収益化が困難。
- 競争激化:300社以上のeVTOL企業が存在し、最終的に生き残れるのは5%程度との予測。
ジョビーの対応戦略
- 強固な財務基盤:2024年第4四半期で現金・現金同等物・有価証券投資が9.33億ドル。トヨタからの5億ドル追加投資も確保済み。
- 垂直統合ビジネスモデル:航空機販売・サービス運営・保守メンテナンスを一体化し、多角的収益源を確保。
- 先行者利益の最大化:世界初の商業サービス開始により、ブランド価値・運航ノウハウ・市場シェアでの圧倒的優位を確立。
ジョビー・アビエーションの課題対応は、技術革新・規制協力・戦略的提携・社会価値創造を統合した包括的アプローチが特徴である。同社は単に課題を解決するのではなく、課題解決プロセス自体を競争優位に転換し、業界標準の策定と市場創造を同時に推進している。
ジョビー・アビエーション(JOBY)の業績について
ジョビー・アビエーション(JOBY)の財務年度は12月31日で終了する。 四半期決算の発表スケジュールは以下の通り:
- 第1四半期(Q1):4月上旬〜中旬
- 第2四半期(Q2):8月上旬
- 第3四半期(Q3):11月上旬〜中旬
- 第4四半期(Q4)および通期決算:翌年3月初旬〜中旬
ジョビー・アビエーション(JOBY)の株価
ジョビー・アビエーション(JOBY)の現在のリアルタイム株価チャート(TradingView)を表示しています。
チャートには、RSI(Relative Strength Index)を表示しています。相場の過熱感の指標として参考。
※RSIが70%~80%を超えると買われ過ぎ、反対に20%~30%を割り込むと売られ過ぎの目安。
ジョビー・アビエーション(JOBY)の将来性と今後の株価見通しは?
ジョビー・アビエーション(JOBY)の将来性は、現在のeVTOL市場における先行優位性に加え、次世代モビリティ革命・クリーンエネルギー移行・都市化進展という3つの主要メガトレンドと強く結びついている点で、極めて高いと評価される。
商業化戦略:世界初のeVTOLサービス事業者としての地位確立
- 2026年のドバイでの商業サービス開始により、世界初の本格的eVTOLエアタクシー事業者として歴史的なポジションを獲得する見込みである。
- FAA認証の最終段階への到達と、複数地域での運航許可取得により、技術的実証から実用化への転換を他社に先駆けて実現しつつある。
- トヨタとの製造提携により、年間数千機規模の量産体制構築が可能となり、市場拡大に応じたスケーラビリティを確保している。
市場拡大とエコシステム形成:都市交通インフラの中核企業への成長
- 世界的な都市化進展により、従来の地上交通では対応困難な大都市圏での移動需要が急速に拡大している。
- デルタ航空、ウーバーとの戦略提携により、既存交通ネットワークとの統合によるシームレスなマルチモーダル交通サービスの実現が期待される。
- 政府機関との協力関係により、都市計画レベルでの交通インフラ統合における影響力を拡大している。
技術革新と競争優位性:持続可能な成長基盤の確立
- 累計3万マイルの飛行実績により蓄積された運航データとノウハウが、継続的な技術改良と安全性向上を支えている。
- 水素電動航空機の開発など、次世代推進技術への先行投資により、長期的な技術的優位性を確保している。
- 垂直統合型ビジネスモデルにより、製造から運営まで一貫した品質管理と収益最大化を実現している。
これらの要素を総合すると、ジョビー・アビエーションは「都市エアモビリティ市場の創造者」として、長期的に業界をリードする存在になりうる。株価の短期的なボラティリティはあるものの、技術革新と市場創造を両立する数少ない企業として、次世代モビリティ投資の中核銘柄といえる。
ジョビー・アビエーション(JOBY)の2025年度Q1決算サマリー
発表日:25/05/08
売上高と収益
- 年間売上高: 第1四半期売上は計上なし(フライトサービス売上も実質ゼロ)
- GAAP純利益: ▲8,240.6万ドル(前年同期は▲9,458.7万ドル)
- 調整後純利益(Non-GAAP): 非開示
- 調整後EBITDA: ▲1億2,713.3万ドル(前年同期は▲1億1,037.3万ドル)
- その他指標: ワラント・アーンアウトの公正価値見直しによる利益7,102万ドルを計上
営業費用と利益
- GAAP営業費用: 1億6,328.4万ドル(うちR&D費用1億3,428.7万ドル、前年同期比+16%)
- Non-GAAP営業費用: 非開示(ただしストックベース報酬は2,701.9万ドル)
- EBITDA損失(ある場合): 上記参照
- 調整後純損失: 非開示
契約と受注(Bookings)
- 年間受注高: 非開示
- 第1四半期受注: 非開示(ただしVirgin AtlanticやUAE向けで事業契約進行中)
- 契約顧客数: 非開示
- 大口顧客構成: 米国国防総省(DoD)、Virgin Atlantic(英)、ドバイ政府など
キャッシュと財務状況
- 現金残高(年末): 8億1,252.4万ドル(短期投資含む)
- 借入・返済などの動き: トヨタから5億ドルの出資確約あり(1億2,500万ドルはQ2反映予定)
- 自由キャッシュフロー(FCF): ▲1億1,097万ドル(前年同期比拡大)
技術・事業ハイライト
- 製品開発や技術的成果:
- 有人での垂直離陸→水平飛行のトランジションフライトを複数回成功
- 認証第4ステージでFAA側43%、自社側62%進行(前年より進捗)
- パートナーシップや採用事例:
- Virgin Atlanticと提携し英国でeVTOL展開へ(Heathrow・Manchester起点)
- UAEドバイでも有人試験飛行・インフラ建設を推進
- 市場でのポジション:
- 世界初のeVTOL定期運航に向けた先行企業として認証・製造・商用準備を加速中
2025年ガイダンス(または翌期ガイダンス)
- 売上見通し: 非開示(商用サービス開始は2026年初頭を目標)
- EBITDA見通し: キャッシュ消費は年間5億〜5.4億ドルを想定
- その他の注目点:
- トヨタ出資第一弾2.5億ドルの着金予定あり(Q2に計上)
- 製造拠点・訓練施設の拡張完了目前(Marina, CA)
ジョビーは2025年Q1において、FAA認証プロセスの大幅進捗と有人飛行成功を達成し、商用運航へのステップを確実に踏んでいる。売上はまだ発生していないが、トヨタやVirgin Atlanticなど大手との提携が進み、製造能力や資金面でも盤石な体制を整えつつある。キャッシュ消費は依然大きいが、eVTOL市場の本命企業としての地位は固まりつつあり、2026年以降の黒字化と事業立ち上げに向けて注目が集まる。
ジョビー・アビエーション(JOBY)の株を買える証券会社は?
ジョビー・アビエーション(JOBY)の株を取り扱っている主要な証券会社をリストアップしました。これらの証券会社では、外国株として直接の株取引のほか、CFD(差金決済取引)としての投資も選択できます。
私自身はSBI証券を主に使用していますが、取り扱い銘柄によっては購入できない場合があります。その際は、サクソバンク証券やIG証券などでCFDを利用することもあります。
人気の証券会社 | 株取引 | CFD取引 |
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SBI証券 | ◯ | ✕ |
松井証券 | ◯ | ✕ |
楽天証券 | ◯ | ✕ |
マネックス証券 | ◯ | ✕ |
三菱UFJ eスマート証券 | ◯ | ✕ |
DMM株 | ✕ | ✕ |
サクソバンク証券 | ◯ | ◯ |
IG証券 | ✕ | ◯ |
GMOクリック証券 | ✕ | ✕ |
moomoo証券 | ◯ | ✕ |
まとめ
ジョビー・アビエーション(JOBY)の事業内容、主力サービス、ビジネスモデル、競合環境、成長市場、株価の特徴、そして将来性について幅広く見てきました。
特に、eVTOL市場の立ち上がりとともに、都市エアモビリティの需要が飛躍的に拡大する中で、ジョビーが果たす役割は今後ますます大きくなると考えられます。
現時点では、まだ商業サービス開始前の段階にある企業ではありますが、トヨタとの戦略提携、FAA認証の進捗、ドバイでの運航開始準備など、着実に実用化へのステップを踏んでいる稀少な成長株であり、中長期視点での投資対象としての魅力は十分にあると言えるでしょう。
個人的にも、次世代モビリティ関連銘柄の中でもジョビー・アビエーションは特に「技術×市場創造」の両軸を兼ね備えた銘柄として、今後の動向に注目していきたいと考えています。 都市交通の概念が根本的に変わる転換点において、JOBYはその中心となる存在かもしれません。
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