このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/09/10 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
ORCL(オラクル) | 328.33 | +35.95% | AIクラウド・DB | Q1でRPO$455B開示、OpenAI巨額契約報道 |
CRWV(コアウィーブ) | 117.14 | +16.88% | AIクラウド・GPUレンタル | VC部門新設とオラクルAI需要連想 |
ATRO(アストロニクス) | 43.09 | +14.65% | 航空・防衛エレクトロニクス | 転換社債$2.1億発行計画発表 |
BE(ブルーム・エナジー) | 62.96 | +12.64% | 燃料電池・データセンター電源 | 供給先MTAR受注報道とAI電力関連物色 |
APLD(アプライド・デジタル) | 16.98 | +11.71% | AIデータセンター | 北ダコタ新キャンパス計画とオラクル連想 |
AXTI(エーエックスティ) | 3.36 | +10.53% | 化合物半導体基板 | Q2決算後の上昇続く |
BITF(ビットファームズ) | 1.75 | +10.06% | ビットコイン採掘 | BTC10万ドル台観測とAI/HPC連想で鉱山株高 |
CRDO(クレド・テクノロジー) | 163.96 | +10.02% | データセンター配線 | Q1好決算余韻とBluebird DSP報道 |
AVGO(ブロードコム) | 369.57 | +9.77% | 半導体・カスタムAIチップ | OpenAI向け$100億規模受注報道とオラクル連想 |
ARM(アーム・ホールディングス) | 154.14 | +9.47% | CPU設計・IP | Lumex発表でオンデバイスAI強化 |
VRT(バーティブ) | 136.74 | +8.89% | データセンター冷却・電源 | MS会議出席とAIインフラ物色 |
LITE(ルーメンタム) | 164.88 | +8.67% | 光通信デバイス | Wolfe会議出席・AI光通信用途期待 |
MTZ(マステック) | 190.12 | +8.65% | 送電・インフラ建設 | 米データセンター建設過去最高報道で受注期待 |
INOD(イノデータ) | 58.15 | +8.43% | AIデータ整備 | 2025年有機成長+45%見通し報道 |
個人的所感
オラクルのRPO(契約残高)$455BとAI受注爆発が全体相場を牽引、AIインフラ関連への波及買い主導に。
半導体(AVGO・ARM・CRDO)、データセンター設備(VRT・LITE)、電力/燃料電池(BE)、建設・送電(MTZ)、HPC/クラウド(CRWV・APLD)まで一本調子のテーマ連想の傾向が強い。
個別材料としては、ARMのLumex発表によるオンデバイスAI強化、ATROの転換社債計画などイベントドリブン色。需給面の過熱感も垣間見える一方、AI設備投資の継続性を裏付ける建設・電力データの強さが下支え。
総じて、AIクラウド→半導体→電力・設備→建設へのセクターローテーションの連鎖が続いており、テーマ主導にうまく乗っておくことが重要な局面ですね。
市場インサイト
【分析日】2025/09/10
全体ムード
米株はS&P500・ナスダックが連日最高値、ダウは小反落のまちまち相場。背景は生産者物価の弱さと大型テック好材料の併走による利下げ観測の再強化で、クオリティ/成長優位の継続。欧州は小動きの持ち合い、日本は日経平均が終値最高値の上抜け。債券は米小幅低下・独横ばい・JGB(日本国債)レンジの利回り収斂、為替はドル安一服のレンジ回帰。コモディティは原油横ばい圏、金は史上高値圏の滞留。短期スタンスはイベント前に保有比率を下げるなどのベータ抑制×クオリティ厚めの機動運用。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 45,490.92 | -220.42 (-0.48%) | インフレ指標前のリバランスと指数内個別弱含み。 |
S&P500 | 6,532.04 | +19.43 (+0.30%) | PPI鈍化と大型テックの買い戻し。 |
ナスダック | 21,886.06 | +6.57 (+0.03%) | 最高値更新の高値圏維持。 |
日経225 | 43,837.67 | +378.38 (+0.87%) | 好需給とハイテク主導の上抜け。 |
STOXX600 | 552.29 | -0.10 (-0.02%) | 材料待ちの膠着。 |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.02 % | -1 | 卸売物価の弱さで小幅低下。 |
ドイツ | 2.66 % | 0 | 米金利低下を横目に横ばい圏。 |
日本 | 1.60 % | 0 | 政策据え置き観測下のレンジ推移。 |
為替
- USD/JPY 147.45(+0.93%):CPI前のポジション調整と米金利横ばいのドル高。
- EUR/USD 1.1705(-0.47%):ドル安一服の揺り戻し。
- USD/CNY 7.1209(-0.28%):当局ガイダンス下で元買い戻し。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
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WTI原油 | $63.67/bbl | +1.70% | 地政ヘッドラインとリスク資産高による買い戻し優位 |
Brent原油 | $67.49/bbl | +1.66% | 同上、タイト感観測の継続 |
天然ガス | $3.11/MMBtu | -0.13% | 需給横ばいとポジション整理の往来 |
金(現物) | $3,638.70/oz | +0.32% | 利下げ観測継続と安全資産需要の強含み |
銀 | $41.10/oz | +0.54% | 金高連動とETFフローの底支え |
銅 | $4.54/lb | +0.89% | 関税ヘッドライン一巡後の自律反発 |
クリプト
- ビットコイン $112,250.00(+0.68%):株高・金利低下局面下のリスク許容度回復の買い戻し基調
- イーサリアム $4,440.37(+1.35%):L2フロー継続と需給タイト化観測の相対強
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/09/11(木)ECB理事会—成長見通しとガイダンスのトーン
- 2025/09/12(金)米・ミシガン消費者信頼感速報(9月)—インフレ期待の方向性
- 2025/09/12(金)英国・月次GDP(7月)—サービス牽引の持続性点検
- 2025/09/16(火)米・小売売上高(8月)—消費の粘りと価格動向の確認
インサイトまとめ
- 利下げ観測×テック牽引の二層相場継続によるクオリティ偏重の優位
- 債券は中期デュレーションの段階積み増し、イベントに応じた機動調整
- 為替はドル安一服のレンジ継続前提、ドル円は147前後の回転
- コモディティは原油レンジ回帰×金の高値圏滞留、分散ヘッジ維持
- クリプトはサイズ抑制の回転、BTC軸にETHの相対強を活用