このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/10/01 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
PLUG(プラグ・パワー) | 2.93 | +25.75% | 水素・燃料電池 | 特になし。テーマ物色のモメンタム続く |
FLNC(フルーエンス・エナジー) | 13.45 | +24.54% | 蓄電・グリッド | 特になし。テーマ物色のモメンタム続く |
LAC(リチウム・アメリカズ) | 7.04 | +23.29% | リチウム開発 | エネルギー省が本体とJVへ各5%出資報道 |
ABCL(アブセラ) | 5.96 | +18.49% | 抗体創薬プラットフォーム | 52週高更新のモメンタム |
QS(クアンタムスケープ) | 14.59 | +18.43% | 全固体電池 | 技術進展報道による期待再燃 |
ASTS(ASTスペースモバイル) | 56.94 | +16.01% | 衛星通信・衛星携帯 | Barclaysの目標引き上げとBlueBird量産計画更新 |
ACMR(ACMリサーチ) | 43.78 | +11.88% | 半導体製造装置 | 特になし。半導体テーマ物色の流れ |
AZN(アストラゼネカ) | 84.36 | +9.96% | 製薬・がん領域 | EnhertuのFDA審査入り報道 |
AVAV(エアロバイロメント) | 346.08 | +9.91% | 防衛・無人機 | アナリスト格上げ報道 |
SMCI(スーパー・マイクロ・コンピューター) | 52.39 | +9.28% | AIサーバー | RSレーティング80台回復・テクニカル改善 |
MU(マイクロン・テクノロジー) | 182.15 | +8.86% | メモリ・HBM | AIメモリ需要観測と強気論調 |
INOD(イノデータ) | 82.36 | +6.86% | AIデータ整備 | GenAIサミット開催発表と高値更新 |
個人的所感
リチウム大幅高とAI関連の広がりの同居相場の様相。
LACのDOE出資報道を起点とした資源・電池へのテーマ継続、同時にSMCI・MU・INODの続伸によるAIサプライチェーン/データ需要の拡大。
ヘルスケアではAZNのEnhertu審査入りがセクター牽引。
ASTSの目標引き上げと量産更新による宇宙通信の賑わいも。
一方でPLUG・FLNC・ACMRの一部は明確材料乏しく、モメンタム主導の色彩。
エヌビディア基点のAI半導体、サプライチェーンの物色再開といった印象です。マイクロンなど強く、SMCIも動き出した感じがしますね。
市場インサイト
【分析日】2025/10/01
全体ムード
米政府機関の一部閉鎖開始による統計公表遅延リスクの顕在化と、暫定予算交渉難航に伴う政策不確実性の上振れ。
米マクロはコンファレンスボード消費者信頼感の低下余韻と、民間雇用の減速示唆ヘッドラインの交錯による成長モメンタム鈍化懸念。
セクターは政策報道起点の医薬品・ヘルスケア関連への買い回帰と、メガテックの押し目拾いによる二極化。
金利は長期ゾーンの小幅低下とイールドカーブのフラット化方向。
為替はドル軟化方向の月初フローと円・ユーロの戻り。
商品は金の上場来高値圏推移と、原油の需要不透明観測による軟調の綱引き。
総じて財政・データ遮断・決算見通しの三重要因をにらんだ質への回帰とイベントガードの再構築。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 46,441.10 | +43.21 (+0.09%) | 政府閉鎖リスク下でもディフェンシブと大型株に資金回帰 |
S&P500 | 6,711.20 | +22.74 (+0.34%) | 金利低下とヘルスケア上昇によるバリュエーション許容 |
ナスダック | 22,755.16 | +95.15 (+0.42%) | 半導体・AI主力の押し目買い |
日経225 | 44,550.85 | -381.78 (-0.85%) | 高値圏の過熱整理と外部不確実性の手仕舞い |
STOXX600 | — | — | 医薬品主導の底上げと金融の重石の綱引き |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.09 % | -2 | 統計遅延リスクと安全資産需要によるデュレーション回帰 |
ドイツ | 2.72 % | -2 | インフレ減速観測による利回り低下 |
日本 | 1.64 % | 0 | 会合通過後の需給均衡と様子見 |
為替
- USD/JPY 146.30(-0.27%):長期金利低下と月初フローによるドル安円高。
- EUR/USD 1.1805(+0.21%):ユーロ圏インフレ減速観測による金利低下もドル軟化に相殺。
- USD/CNY 7.1040(-0.03%):中間値運用下の狭いレンジ推移。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $61.70/bbl | -0.45% | 需要不透明感と在庫観測の上値抑制 |
Brent原油 | $66.60/bbl | -0.30% | ドル動向とOPEC+期待の相殺 |
天然ガス | $3.08/MMBtu | -0.32% | 近月需給の一服と気温見通し |
金(現物) | $3,754.00/oz | +0.70% | 統計遅延と政策不確実性を映す安全資産需要 |
銀 | $44.17/oz | +0.50% | 金高連動と工業需要期待 |
銅 | $4.70200/lb | +0.04% | 中国休場期のヘッドライン待ちによる自律小反発 |
クリプト
- ビットコイン $115,300.00(+0.44%):シャットダウン不確実性下の分散需要。
- イーサリアム $4,250.00(+0.47%):イベント前のレンジ上限試し。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/10/02(木)米・新規失業保険申請件数:雇用減速テンポの点検(公表遅延リスク注視)
- 2025/10/03(金)米・雇用統計(9月):統計公表遅延可能性と賃金モメンタムの不確実性
- 2025/10/03(金)米・ISM非製造業(9月):価格指数の粘着度と需要の広がり確認
- 2025/10/04(土)中国・財新PMI:製造・サービスの拡張度とコスト指標の動向
インサイトまとめ
- クリプト軽めの政策・統計ヘッドライン対応の機動ポジションが妥当
- 政府閉鎖リスク顕在化下の質への回帰と先物ヘッジ併用が無難
- 米大型グロースとヘルスケアのバランス配分とイベント前の段階利食いが良さげ
- デュレーションやや長めの逢い場拾いと5–10年中心のカーブフラット化指向が妥当
- ドル軟調レンジでのEUR段階買い・USD/JPY戻り売りの逆張り戦術が無難
- 原油は戻り売り優勢・金は押し目買いの分散スタンスが良さげ