このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/10/03 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
PLUG(プラグ・パワー) | 3.81 | +34.63% | 水素・燃料電池 | HCW目標$7引き上げ・ショートカバー |
LAC(リチウム・アメリカズ) | 9.04 | +31.78% | リチウム開発 | DOE5%出資確定の続伸 |
QUBT(クオンタム・コンピューティング) | 24.62 | +23.22% | 量子計算 | Ascendiant目標$40引き上げ・量子物色 |
AREC(アメリカン・リソーシズ) | 3.70 | +20.13% | クリティカルミネラル・リサイクル | POSCO向けオフテイク契約評価継続 |
BFLY(バタフライ・ネットワーク) | 2.33 | +18.88% | 携帯超音波・医療AI | 特になし、出遅れ物色か? |
USAR(ユーエスエー・レアアース) | 25.96 | +14.31% | クリティカルミネラル | 政権と緊密協議報道 |
ACHR(アーチャー・アビエーション) | 11.57 | +13.65% | eVTOL・空飛ぶタクシー | 実証・提携進展報道の余韻 |
RGTI(リゲッティ・コンピューティング) | 40.06 | +13.16% | 量子計算 | Novera2台・約$5.7M受注公表 |
IREN(アイリス・エナジー) | 50.46 | +7.32% | ビットコイン採掘・AI/HPC | 最高値更新・目標引き上げ報道 |
個人的所感
市場は政策テーマ × 量子 × 水素の三本柱で展開。
LACはDOEの5%出資確定を受けたリチウム連鎖を継続し、USARは政権との協議報道を材料に資金流入。
量子関連では、RGTIの実需受注がセクター全体の買いを誘発し、QUBTは目標引き上げを受けてモメンタム加速。
水素分野も活発化し、PLUGの強気レーティングがショートカバーを誘発。
さらに、資源リサイクルのARECがPOSCOとの長期オフテイク契約を起点に再評価の流れ。
一方で、パランティア(PLTR)はニュース材料を契機に大きく下落。内容的にはすでに織り込み済みの事後情報との見方もあり、短期的なショート勢の仕掛けを感じさせる動き。
個人的なPLTRの中長期の強気スタンスは変わらずです。
市場インサイト
【分析日】2025/10/03
全体ムード
米政府機関の一部閉鎖が継続し、雇用統計公表の可否を巡る不確実性が台頭。
ISM製造業指数の先行シグナルと四半期明けの資金フローが交錯し、市場はイベントガード回帰の様相。
暫定予算交渉の停滞や財政データ遮断リスクへの意識が強まり、当局要人発言の手掛かり難もあって情報プレミアムの上昇が続く。
欧州では、HICPコアの減速余韻が残る中、金利低下期待が持続。エネルギー安による実質所得の下支え期待も相場を支える要因。
日本市場は円安一服と外需グロース株の再評価が綱引きを演じ、配当落ちや期初リバランスといったテクニカル要因も相場の焦点。
商品市場では、原油の需要不透明観測と金の高値圏維持が均衡を保ちつつ推移。
同時に、地政学リスクを巡るヘッドラインへの感応度が一段と高まる展開。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 46,400.12 | -119.60 (-0.26%) | 政府閉鎖継続と雇用統計不透明感の手仕舞い |
S&P500 | 6,709.80 | -5.55 (-0.08%) | 金利小幅低下の下支えとイベント待ちの様子見 |
ナスダック | 22,870.50 | +26.45 (+0.12%) | 半導体・AI主力の押し目買い |
日経225 | 44,620.50 | -316.23 (-0.70%) | 円安一服と外部不確実性の利益確定 |
STOXX600 | 568.10 | +0.50 (+0.09%) | HICP余韻の金利低下期待とテック物色 |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.08 % | -1 | 統計遅延リスクと安全資産需要のデュレーション回帰 |
ドイツ | 2.72 % | -1 | インフレ減速観測の持続 |
日本 | 1.64 % | 0 | 会合通過後の需給均衡と様子見 |
為替
- USD/JPY 146.10(-0.14%):米長期金利小幅低下と月初フローのドル安円高。
- EUR/USD 1.1810(+0.04%):欧州金利低下期待とドル安バイアスの拮抗。
- USD/CNY 7.1030(-0.01%):中間値運用下の低ボラレンジ。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $61.90/bbl | +0.32% | 在庫思惑と需要不透明観測の均衡 |
Brent原油 | $66.70/bbl | +0.15% | ドル動向とOPEC+期待の相殺 |
天然ガス | $3.10/MMBtu | +0.65% | 近月需給のタイト化思惑 |
金(現物) | $3,760.00/oz | +0.16% | 統計遅延リスクと政策不確実性のヘッジ需要 |
銀 | $44.30/oz | +0.29% | 金高連動と工業需要期待 |
銅 | $4.70400/lb | +0.04% | 中国休場期のヘッドライン待ちの自律小反発 |
クリプト
- ビットコイン $115,800.00(+0.43%):政府閉鎖不確実性下の分散需要。
- イーサリアム $4,270.00(+0.47%):イベント待ちのレンジ上限試し。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/10/04(土)中国・財新PMI(9月):サービス主導の拡張度と価格指標の粘着度
- 2025/10/07(火)米・FOMC議事要旨(9月):初回利下げ後の討議ニュアンスと次回示唆
- 2025/10/08(水)日本・景気ウォッチャー調査(9月):家計・企業マインドの方向性
- 2025/10/10(金)米・ミシガン大学消費者信頼感速報(10月):期待インフレ指標の変化
インサイトまとめ
- クリプト軽めのヘッドライン対応とイベント前リスク管理
- 政府閉鎖リスク継続下の質への回帰と先物ヘッジ併用の維持
- 米大型グロースとヘルスケアの二極配分と段階利食いの併用
- デュレーションやや長めの逢い場拾いと5–10年中心のカーブフラット化志向
- ドル軟調レンジでのEUR段階買い・USD/JPY戻り売りの逆張り回転
- 原油は戻り売り・金は押し目買いのクロスアセット分散