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- はじめに
- ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)とは何の会社、どのような事業をしている?
- ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の主力製品は?
- ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)のビジネスモデルは?
- 取引市場は?
- ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)のセクター、業種、属するテーマは?
- 配当は?
- ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の競合企業は?
- ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)が属する業界の規模と成長性は?
- ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の競合との差別化要素と優位性は?
- ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の業績について
- ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の株価
- ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の将来性と今後の株価見通しは?
- まとめ
はじめに
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)は、アメリカを拠点にネットワークテスト・監視ソリューションと光学技術を提供する通信インフラ企業です。
特にネットワークおよびサービスイネーブルメント(NSE)と光セキュリティおよびパフォーマンス製品(OSP)という2つの分野で、5G無線ネットワーク、光ファイバー通信、クラウドインフラ、衛星通信、公共安全、軍事、航空宇宙向けのテスト・監視・保証ソリューションを展開し、通信事業者、クラウドプロバイダー、政府機関、航空宇宙企業などに不可欠なインフラを提供しています。
この企業が話題となっている背景には、5G/6Gネットワークの展開加速、光ファイバーネットワークの高度化、3Dセンシング技術(スマートフォン・自動車)の普及、そして偽造防止・セキュリティ技術への政府需要の高まりがあり、2025年6月期には黒字転換を達成するなど、業績回復の兆しを見せています。
本記事では、ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の事業内容、ビジネスモデル、属する市場の成長性、競合優位性、株価の動向、そして将来性までを深く掘り下げます。
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)とは何の会社、どのような事業をしている?
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)は、アメリカの通信インフラ企業であり、ネットワークの品質保証・監視・テストソリューションと、光学技術(3Dセンシング、偽造防止)を提供し、通信事業者、クラウドプロバイダー、政府機関、航空宇宙企業向けにミッションクリティカルな技術を展開している。
同社は1993年1月に設立され、本社はアリゾナ州チャンドラーに位置し、世界60以上の拠点で約3,600名の従業員を擁する。NASDAQに上場しており、グローバルに事業を展開している。
同社の企業ミッションは、「ネットワークとサービスの品質を保証し、世界中の通信インフラの信頼性を支えること」であり、5G、光ファイバー、クラウド、衛星通信など、あらゆる種類のネットワークのテスト・監視・最適化を可能にする技術を提供している。
主な顧客は、通信事業者(Verizon、AT&T、NTTドコモ等)、クラウドサービスプロバイダー(AWS、Google、Microsoft等)、政府機関(国防総省、NASA等)、航空宇宙企業、自動車メーカーである。 注目すべきは、ヴィアヴィ・ソリューションズが5G/6Gネットワークのテスト・監視において業界をリードする地位を持ち、無線ネットワークの展開と最適化に不可欠なソリューションを提供している点である。
また、同社は3Dセンシング技術(顔認証、LiDAR)における光学フィルター市場で世界トップクラスのシェアを持ち、Apple等のスマートフォンメーカーや自動車業界向けに重要な部品を供給している。
さらに、ヴィアヴィ・ソリューションズは2025年6月期に黒字転換を達成しており、売上高は前期比8.4%増の10億8,430万ドル、純利益は3,480万ドル(前期は2,580万ドルの赤字)となり、業績回復の軌道に乗っている。
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の企業情報は以下。
- 会社名:Viavi Solutions Inc.
- 設立年:1993年1月
- 本社所在地:アリゾナ州 チャンドラー(米国)
- 代表者:Oleg Khaykin(CEO)
- 公式サイト:https://www.viavisolutions.com
- 主な事業内容:ネットワークテスト・監視・保証ソリューション、光学技術(3Dセンシング、偽造防止)

ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の主力製品は?
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の主力製品は以下の通り。 同社は2つの主要事業セグメントで高度に専門化されており、通信インフラとセキュリティ技術の両面で革新的なソリューションを提供している。
ネットワークおよびサービスイネーブルメント(NSE)
通信ネットワークの品質保証・テスト・監視ソリューション
ヴィアヴィ・ソリューションズの中核事業であるNSEは、あらゆる種類のネットワーク(無線、有線、クラウド、衛星)の展開、最適化、監視、保証を支援するテスト・測定ソリューションである。
5G/6G無線ネットワークテスト
- 5G基地局のテスト・検証:
- 5G基地局の設置時における性能検証
- 電波品質、カバレッジ、スループットの測定
- 5G SA(スタンドアローン)およびNSA(ノンスタンドアローン)の両方に対応
- ミリ波(mmWave)およびSub-6GHz帯域のテスト
- 5Gネットワーク最適化:
- ネットワークの干渉検出と最適化
- ハンドオーバー性能の検証
- エンドツーエンドのネットワーク品質監視
- AI/AIOps(人工知能によるIT運用)を活用した自動最適化
- 6G研究開発支援:
- 次世代6Gネットワークの研究開発向けテストソリューション
- テラヘルツ帯(THz)通信の測定技術
5G/6G時代にVIAVIの通信計測が不可欠とされる理由
ヴィアヴィの5G/6Gテスト技術は、単なる測定機器ではなく、通信インフラ展開の成否を左右する戦略的ツールとして、世界中の通信キャリアに依存されている。
- 5G SA(スタンドアローン)テストの複雑性:
- 5G NSA(ノンスタンドアローン):4Gコアネットワークを利用、テストは比較的単純
- 5G SA:完全独立した5Gコアネットワーク、エンドツーエンドのテストが極めて複雑
- ネットワークスライシング、超低遅延(URLLC)、大規模接続(mMTC)の検証が必須
- VIAVIは5G SA対応テストソリューションで業界標準の地位を確立
- ミリ波帯の基地局検証に必要な高精度測定:
- 5Gミリ波(24GHz〜100GHz)は極めて高い周波数帯
- 電波の減衰が激しく、建物・雨・植物による干渉が大きい
- 基地局の設置・調整にはセンチメートル単位の精密な測定が必要
- VIAVIのミリ波テスト機器なしには、ミリ波5Gの商用展開が事実上不可能
- 通信キャリア(Verizon、AT&T、NTTドコモ等)がVIAVIに依存する理由:
- Verizon:全米最大の5Gミリ波展開でVIAVIテストツールを標準採用
- AT&T:5G SAネットワーク検証にVIAVIソリューションを使用
- NTTドコモ:5G基地局の品質保証にVIAVIの測定器を導入
- 一度採用されたテストツールは技術者のトレーニング・データ蓄積により変更困難
- 通信キャリアとの10年以上の長期関係が参入障壁として機能
- 6G向け”テラヘルツ帯(100GHz〜10THz)”検証という次世代機会:
- 6Gは2028〜2030年に商用化開始予定
- テラヘルツ帯通信が6Gの核心技術(現在の5Gミリ波の10〜100倍の周波数)
- 測定技術の難易度が飛躍的に上昇し、先行投資企業が圧倒的優位
- VIAVIは既に6G研究開発向けテストソリューションを提供開始
- 5Gで確立した通信キャリアとの関係が、6G市場でもそのまま継続する見込み
光ファイバー通信テスト
- 光ファイバーネットワークの構築・保守:
- OTDR(光時間領域反射測定)による光ファイバーの診断
- 光ファイバーの断線・劣化箇所の特定
- DWDM(高密度波長分割多重)ネットワークのテスト
- 100G/400G/800G高速光通信のテスト
- FTTx(Fiber To The x)展開支援:
- FTTH(光ファイバーによる家庭向けブロードバンド)の品質保証
- 光アクセスネットワークの性能測定
光コヒーレンス技術(OCT):VIAVIの独自技術優位性
ヴィアヴィの光コヒーレンス技術(Optical Coherence Tomography, OCT)は、通信インフラのテスト精度を飛躍的に向上させる重要な差別化要素である。
- 5G基地局のテスト精度向上における役割:
- 光ファイバーの微細な劣化や不良箇所を非破壊で検出
- ミリメートル単位の高解像度で内部構造を解析
- 5G基地局間の高速光接続の品質保証に不可欠
- 従来技術では検出困難だった微細な欠陥を早期発見
- データセンターの高速光インターコネクト検証:
- AI/ML処理用サーバー間の銅線→光ケーブルへの転換が加速
- 100G/400G/800G超高速光通信の品質検証
- データセンター内の高密度光配線の診断
- CPO(Co-Packaged Optics:光学部品のチップ直接実装)普及に伴うテスト需要
- 医療用OCTとの技術親和性:
- 医療分野のOCT技術(眼科診断等)とコア技術を共有
- 通信と医療の両分野で技術開発の相乗効果
- 高精度光学測定における豊富なノウハウ蓄積
- Lumentumなど光部品メーカーとの違い:
- Lumentum(LITE):レーザー・VCSEL等の光源部品を製造
- VIAVI:光通信システム全体を測定・検証するテストソリューション
- 光学技術を持ちながら、「作る」ではなく「測る」に特化したユニークなポジション
- テスト機器メーカーとして通信事業者との長期的な関係を構築
データセンター(AIインフラ)拡張で急増する光テスト需要
- AI サーバー間通信の光化が生む巨大市場:
- NVIDIA H100/H200、AMD MI300等のAIチップが高帯域光接続を必須化
- GPUクラスター間の通信速度が性能のボトルネックに
- 銅線の帯域限界(25G程度)を超える100G/400G/800G光接続が標準化
- 2025〜2030年にデータセンター光テスト市場が年率15〜20%成長予測
- CPO(Co-Packaged Optics)普及とテスト装置需要:
- 光学部品をCPU/GPU/スイッチチップに直接パッケージングする革新技術
- Intel、AMD、Broadcomが2025〜2027年に実用化予定
- CPOの品質検証には超高精度な光学テストが不可欠
- VIAVIのOCT技術が、CPOテスト市場で先行者利益を獲得可能
- NVIDIA/AMD/Intelの光接続ロードマップとの連動:
- NVIDIA:NVLink、InfiniBandの光化を加速
- AMD:Infinity Fabricの光化を推進
- Intel:Silicon Photonics(シリコンフォトニクス)に注力
- これらの光接続技術の検証に、VIAVIのテストソリューションがデファクトスタンダード化
クラウド・データセンター向け監視ソリューション
- クラウドインフラの性能監視:
- データセンター内ネットワークの監視
- クラウドサービスのエンドツーエンド品質保証
- 仮想化環境のネットワークパフォーマンス測定
公共安全・軍事・重要インフラ向けソリューション
- 公共安全通信ネットワークのテスト:
- 緊急通信システム(LTE-Advanced PS)の検証
- ミッションクリティカル通信の品質保証
- 軍事・政府機関向けセキュア通信:
- 衛星通信システムのテスト
- セキュアな通信ネットワークの検証
光セキュリティおよびパフォーマンス製品(OSP)
光学技術による3Dセンシング・偽造防止・セキュリティ
OSP事業は、光学コーティング技術と量産能力を活用し、3Dセンシング、偽造防止、政府機関、航空宇宙、自動車、産業市場向けの先端光学技術を提供する。
VIAVIのOSP部門:「不可視な巨大貢献」がもたらす高収益
OSP(Optical Security and Performance)部門は、一般消費者には認知されにくいが、紙幣からスマートフォン、政府IDまで、日常生活と国家セキュリティを支える極めて重要な事業である。
- 紙幣・パスポート・政府ID への光学セキュリティ素材:
- 世界50カ国以上の紙幣に採用される偽造防止用光学フィルム
- パスポート、運転免許証、政府発行IDカードのセキュリティ素材
- ナノ構造光学フィルム技術により、角度によって色が変化する高度な偽造防止効果
- 政府機関との長期契約により、極めて安定的な収益基盤
- Meta、Apple、Sonyなどの AR/VR用光学フィルタ採用:
- Meta Quest 3/4:VR内での光学精度向上にVIAVI光学フィルタ採用
- Apple Vision Pro:高精度ディスプレイ用光学部品にVIAVI技術を使用
- Sony PlayStation VR2:3Dセンシング用光学フィルター供給
- AR/VR市場は2025〜2030年に年率30%成長予測、VIAVIの高成長領域
- ナノ構造光学フィルム技術の強さ:
- ナノメートル(10億分の1メートル)レベルの精密な光学構造を量産
- 競合他社が短期間で追随することが極めて困難な技術障壁
- 特許ポートフォリオにより、知的財産による参入障壁を構築
- 量産能力とコスト競争力を兼ね備えた唯一の企業
- 民生・産業・政府向けの高収益領域:
- NSE(ネットワークテスト)事業:営業利益率10〜15%程度
- OSP(光学技術)事業:営業利益率25〜35%程度(高付加価値製品)
- OSPの収益拡大が、全社の利益率改善に大きく寄与
- 政府・紙幣関連は長期契約・安定収益、AR/VRは高成長市場という理想的なポートフォリオ
3Dセンシング技術
- スマートフォン向け顔認証(Face ID)用フィルター:
- iPhoneのFace ID等に使用される赤外線光学フィルター
- VCSEL(垂直共振器面発光レーザー)用光学部品
- 高精度な3D顔認識を可能にする光学技術
- 自動車向けLiDAR用光学部品:
- 自動運転車両のLiDARシステム用光学フィルター
- ToF(Time of Flight)センサー用光学部品
- 車載3Dセンシングシステム向け光学技術
偽造防止・セキュリティ技術
- 紙幣・パスポート向け光学セキュリティ:
- 紙幣やパスポートに使用される偽造防止用光学フィルム
- ホログラム技術
- 光の角度により色が変化する光学コーティング
- ブランド保護用光学技術:
- 高級品・医薬品の偽造防止用光学マーカー
- 真贋判定用の光学識別技術
航空宇宙・防衛向け光学技術
- 衛星用光学フィルター:
- 人工衛星の光学センサー用フィルター
- 地球観測衛星向け高性能光学部品
- 軍事用光学技術:
- 赤外線センサー用光学フィルター
- ナイトビジョン(暗視装置)用光学部品
これらの主力製品群は、単なる測定機器や光学部品という枠を超え、5G/6G通信インフラの展開と最適化、スマートフォン・自動車の3Dセンシング、国家セキュリティを支える偽造防止技術として、世界中の通信事業者、テクノロジー企業、政府機関から不可欠な存在として評価されている点が特徴である。
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)のビジネスモデルは?
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)のビジネスモデルは、主にネットワークテスト機器の販売、ソフトウェアライセンス、サービス契約、光学部品の販売の4つの要素で構成されている。通信インフラの展開サイクルに連動した収益構造を持っている。
ネットワークテスト機器の販売による収益
ヴィアヴィ・ソリューションズの主要な収益源は、通信事業者とクラウドプロバイダー向けのテスト・測定機器の販売である。
- 5G基地局テスト機器:1台あたり数万ドルから数十万ドル
- 光ファイバーテスト機器:OTDR等の診断装置の販売
- ポータブル測定器からラボ用高性能測定システムまで幅広い製品ラインナップ
- 通信事業者の設備投資サイクルに連動した需要
- 5G展開期には大規模な機器需要が発生
ソフトウェアライセンスとサブスクリプション収益
ネットワーク監視・最適化ソフトウェアのライセンス販売とサブスクリプション型収益。
- ネットワーク管理ソフトウェアの年間ライセンス料
- AI/AIOpsプラットフォームのサブスクリプション収益
- クラウドベースのネットワーク監視サービス
- ソフトウェアアップデートと機能追加による継続収益
- ハードウェア販売に比べて高い利益率
保守・サービス契約による安定収益
機器の保守・校正・トレーニングサービスによる安定的な継続収益。
- 測定機器の定期校正サービス
- 保守契約による継続収益
- 技術サポートとトレーニングサービス
- 機器のアップグレードサービス
- 顧客の長期的な関係により、安定的な収益基盤
光学部品の販売による収益
OSP事業における3Dセンシング用光学部品と偽造防止用光学フィルムの販売。
- スマートフォンメーカー向け光学フィルターの大量供給
- 自動車メーカー向けLiDAR用光学部品
- 政府機関向け偽造防止用光学フィルムの販売
- 高い技術力と量産能力により、安定的な受注を確保
- 顧客の製品サイクルに連動した収益変動
顧客セグメント別の収益構造
ヴィアヴィ・ソリューションズのビジネスモデルの特徴は、多様な顧客セグメントによるリスク分散である。
- 通信事業者:5G展開に伴う大規模なテスト機器需要
- クラウドプロバイダー:データセンター拡張に伴う継続的な需要
- 政府・軍事:安定的な予算に基づく長期契約
- スマートフォンメーカー:新製品サイクルに連動した光学部品需要
- 自動車メーカー:自動運転技術の進展に伴う新規需要
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)のビジネスモデルは、通信インフラの展開サイクルと技術進化に連動した収益構造であり、5G/6G展開期には大きな成長機会があり、ソフトウェア・サービス収益の増加により収益の安定性と利益率が向上する構造となっている。
取引市場は?
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)は、NASDAQ(ナスダック)に上場しており、ティッカーシンボルは「VIAV」。
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)のセクター、業種、属するテーマは?
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)は、その事業内容と市場位置づけから、以下のセクター・業種・投資テーマに分類される。
セクター:情報技術 / 通信サービス
ヴィアヴィ・ソリューションズは、情報技術セクターに属する通信機器・テスト測定機器企業である。通信サービスを支えるインフラ企業としての側面も持つ。
- 通信インフラを支えるテスト・測定機器企業
- 光学技術による先端技術企業
業種:通信機器・テスト測定機器・光学技術
VIAVは、情報技術セクターの中でも「通信機器」「テスト測定機器」「光学技術」という専門性の高い業種に属する。
- 5G/光ファイバーネットワークのテスト・測定
- ネットワーク品質保証ソリューション
- 3Dセンシング・セキュリティ向け光学技術
属するテーマ:5G / 光ファイバー通信 / クラウドインフラ / 3Dセンシング / サイバーセキュリティ
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の投資対象としての魅力は、複数の成長テーマと密接に関連している点にある。
- 5G/6G通信インフラ:5G基地局の展開と最適化に不可欠なテストソリューション提供
- 光ファイバー通信:FTTH(光ファイバーによる家庭向けブロードバンド)の世界的な展開
- クラウドインフラ:データセンターとクラウドネットワークの拡大に伴う監視需要
- 3Dセンシング・AR/VR:スマートフォン・自動車向け3Dセンシング技術の普及
- サイバーセキュリティ・偽造防止:紙幣・パスポート・ブランド保護向けセキュリティ技術
- 自動運転:自動運転車両のLiDARシステム向け光学部品
このように、ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)は複数の成長テーマと重なり合うことで、投資対象としての注目度を高めている。特に5G、光ファイバー、クラウドインフラという通信インフラの3本柱に加え、3Dセンシングと偽造防止という2つの光学技術テーマを持つ点が大きな特徴である。
配当は?
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)は現在、配当を実施していない。 その理由は明確で、同社は成長戦略を最優先とし、収益を5G/6Gテスト技術の開発、次世代光学技術への投資、事業再編に再投資しているため。とりわけ、ネットワークテスト事業の競争力強化と、光学技術事業の成長加速に向けた投資が継続している。
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の競合企業は?
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)が属する通信テスト・測定機器市場は、専門性が高く参入障壁も高いため、競合企業は限られている。 ただし、事業セグメントごとに、一定の競争が存在している。
主な競合企業
- Keysight Technologies(キーサイト・テクノロジーズ、KEYS):通信テスト・測定機器市場のリーディングカンパニー。5Gテスト、光通信テスト、電子測定器の幅広い製品ラインナップを持つ。VIAVの最大の競合であり、技術力と市場シェアで競っている。
- Spirent Communications(スパイレント・コミュニケーションズ、英国):ネットワーク機器のテスト・検証ソリューションに特化。5G、サイバーセキュリティ、位置情報テストで競合。
- EXFO Inc.(エクスフォ、EXFO):光ファイバー通信テストに特化した企業。FTTxやデータセンター向けテストソリューションでVIAVと競合。カナダ拠点。
- Anritsu Corporation(アンリツ、6754.T):日本の通信測定器メーカー。5G基地局テスト、光通信テストでグローバルに展開。アジア市場で強い競争力を持つ。
- Rohde & Schwarz(ローデ・シュワルツ、非公開):ドイツの測定器メーカー。無線通信テスト、電子測定器で高い技術力を持つ。特に欧州市場で強い。
- JDSU(旧社名、現在はViaviとLumentumに分割):VIAVの前身企業。2015年にネットワークテスト事業(Viavi)と光通信部品事業(Lumentum)に分社化。
光学技術事業の競合
- Lumentum Holdings(ルメンタム、LITE):VIAVから分社したレーザー・光通信部品企業。3Dセンシング用VCSEL市場で競合。
- II-VI Incorporated(現Coherent Inc.、COHR):光学部品・レーザー技術企業。3Dセンシング、LiDAR用光学部品で競合。
- ams OSRAM(オーストリア・ドイツ):光学センサー・3Dセンシング技術企業。スマートフォン向け光学部品で競合。
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)が属する業界の規模と成長性は?
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)が属する通信テスト・測定市場と光学技術市場は、5G/6G展開と3Dセンシング技術の普及により、今後数年間で着実な成長が見込まれている。以下に、関連市場ごとに規模と成長性を解説する。
通信テスト・測定市場の規模と成長性
- 世界の通信テスト・測定市場は、2023年時点で約90億ドル規模と推計されており、5G展開により堅調に成長している。
- 市場の年平均成長率(CAGR)は5〜7%程度と予測されており、2030年には120〜130億ドル規模に達する可能性がある。
- 5G基地局の展開ピークは2023〜2026年と予測されており、テスト機器需要も同時期にピークを迎える。
5Gネットワークテスト市場の成長性
- 5Gネットワークテスト市場は、2023年時点で約30億ドル規模であり、5G展開の進展により拡大中。
- 5G SA(スタンドアローン)への移行、ミリ波展開、O-RAN(Open RAN)の普及により、新たなテスト需要が発生。
- 市場の年平均成長率(CAGR)は8〜10%程度と予測されている。
光ファイバーテスト市場の成長性
- 世界の光ファイバーテスト市場は、2023年時点で約25億ドル規模であり、FTTH展開により堅調に成長。
- 特にアジア太平洋地域(中国、インド、東南アジア)でのFTTH展開が市場成長を牽引。
- 100G/400G/800G高速光通信の展開により、高性能テスト機器の需要が増加。
- 市場の年平均成長率(CAGR)は4〜6%程度と予測されている。
3Dセンシング・光学技術市場の成長性
- 世界の3Dセンシング市場は、2023年時点で約40億ドル規模であり、スマートフォン・自動車への採用により急成長。
- 市場の年平均成長率(CAGR)は15〜20%程度と予測されており、2030年には150億ドル規模に達する可能性。
- スマートフォンの顔認証、自動車のLiDAR、AR/VRヘッドセットの普及が成長を牽引。
偽造防止・セキュリティ技術市場
- 世界の偽造防止技術市場は、2023年時点で約150億ドル規模であり、政府・ブランド保護需要により安定的に成長。
- 市場の年平均成長率(CAGR)は6〜8%程度と予測されている。
- デジタル化が進む一方で、物理的なセキュリティ技術の需要は継続。
成長ドライバー
- 5G/6G展開:世界中での5G基地局展開と6G研究開発の加速
- FTTH普及:光ファイバーによる家庭向けブロードバンドの世界的な展開
- クラウドインフラ拡大:データセンターとクラウドネットワークの拡張
- 3Dセンシング普及:スマートフォン・自動車・AR/VRでの3D技術採用拡大
- 自動運転:自動運転車両のLiDARシステム需要の増加
- サイバーセキュリティ強化:ネットワークセキュリティと物理セキュリティの重要性向上
- AIインフラ投資:AI/ML処理用データセンターの光接続需要が急増
- CPO技術の実用化:2025〜2027年にCo-Packaged Opticsが本格展開し、新たなテスト需要が発生
特に5Gテスト市場、データセンター光テスト市場、3Dセンシング市場は、ヴィアヴィ・ソリューションズが強力なポジションを持つ成長市場であり、今後数年にわたって業績成長の中心となる可能性が高い。
とりわけ、AIインフラ投資によるデータセンター光テスト需要は、通信キャリアCAPEXサイクルに左右されない構造的な成長ドライバーとして、VIAVIの業績安定性を大きく向上させると期待される。
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の競合との差別化要素と優位性は?
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)は、通信テスト市場において競合が存在する中で、製品ポートフォリオの広さ、光学技術との統合、顧客基盤、コスト競争力の面で際立った差別化要素を有している。以下に主な優位性を分類して解説する。
幅広い製品ポートフォリオによる総合力
- ヴィアヴィ・ソリューションズの最大の強みは、5G無線から光ファイバー、クラウド、衛星通信まで、あらゆる種類のネットワークテストを網羅する製品ラインである。
- Keysightは高性能測定器に強いが価格が高く、EXFOは光ファイバーに特化している。VIAVは幅と深さのバランスが取れた製品ポートフォリオを持つ。
- ワンストップソリューションとして顧客に選ばれやすい。
光学技術事業との相乗効果
- NSE(ネットワークテスト)とOSP(光学技術)の2つの事業セグメントを持つユニークな企業構造。
- 光学技術の知見がネットワークテスト製品の差別化に寄与。
- 3Dセンシング市場での収益が、ネットワークテスト事業への投資を支える。
グローバル顧客基盤と長期的な関係
- 世界中の主要通信事業者(Verizon、AT&T、NTTドコモ等)との長期的な取引関係。
- 通信事業者は一度採用したテスト機器ベンダーを変更しにくい(技術者のトレーニング、互換性等)。
- 既存顧客基盤が参入障壁として機能している。
コスト競争力と価格戦略
- Keysightに比べてコストパフォーマンスに優れた製品を提供。
- 中堅通信事業者や新興国市場では、VIAVの価格競争力が優位に働く。
- 製品の標準化とサプライチェーン最適化により、コスト削減を実現。
AI/AIOpsによる差別化
- ネットワーク監視・最適化にAI技術を統合したAIOpsプラットフォームを提供。
- 従来の手動オペレーションから自動化への移行を支援。
- ソフトウェア収益の増加により、利益率が向上。
業績回復と財務改善
- 2025年6月期に黒字転換を達成し、営業利益率が5.3%に向上(前期2.1%)。
- コスト削減と事業再編により、収益性が改善。
- 競合に比べてバリュエーションが割安であり、投資妙味がある。
これらの要素により、ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)は現在、通信テスト市場において総合力と価格競争力を持つプレイヤーとして、5G/6G展開期の成長機会を捉えられる立ち位置にある。
VIAVIのM&A戦略と今後の注目領域
戦略的M&Aによるポートフォリオ拡充
ヴィアヴィ・ソリューションズは、積極的なM&A戦略により、技術領域の拡大と市場シェアの強化を推進している。
- Spirent Communications買収(2024年、13億ドル):
- 英国の通信テスト大手Spirentを買収(2024年4月発表、2025年完了予定)
- 高速イーサネット、ネットワークセキュリティ、チャネルエミュレーション技術を獲得
- 5G/6Gテスト、サイバーセキュリティ分野での競争力を大幅に強化
- Spirentの顧客基盤(欧州・アジア通信キャリア)をVIAVIに統合
- Inertial Labs買収(2025年):
- 慣性航法システム(INS)・センサー技術企業を買収
- 航空宇宙・防衛市場への参入を強化
- ドローン、無人航空機、軍事システム向けセンサー技術を獲得
- 高マージン・長期契約の政府向け事業を拡大
- 過去の主要M&A:
- 2015年:JDS Uniphaseから分社(ネットワークテスト事業として独立)
- 2018年:Cobham Wireless買収(無線テスト技術を強化)
- 2019年:RPC Photonics買収(光学セキュリティ技術を強化)
今後の注目M&Aターゲット分野
- CPO(Co-Packaged Optics)関連技術:
- 光学部品のチップ直接実装技術が2025〜2027年に実用化
- CPO対応テスト技術を持つ中小企業が買収候補
- Intel、Broadcomとの協業を強化するための技術買収
- OCT(光コヒーレンス技術)関連企業:
- 医療用OCT技術を持つ企業の買収により、通信・医療の両市場に対応
- 超高精度光学測定技術のさらなる強化
- セキュリティ光学・偽造防止技術:
- デジタル通貨(CBDC)時代の物理セキュリティ需要
- 次世代パスポート・IDカード用のセキュリティ技術
- ナノ構造光学フィルム技術を持つ企業の買収
- 6Gテスト技術のスタートアップ:
- テラヘルツ帯測定技術を持つ研究開発型企業
- 大学発スピンオフ企業の買収による先行技術の獲得
M&A戦略の効果
- 技術ギャップの迅速な埋め合わせ:自社開発に5〜10年かかる技術を1〜2年で獲得
- 顧客基盤の拡大:買収企業の既存顧客をVIAVIのポートフォリオに取り込む
- 地理的拡大:欧州・アジア市場でのプレゼンス強化
- 収益の多様化:新規事業領域への参入により、景気サイクル耐性が向上
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の業績について
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の財務年度は6月30日で終了する。 四半期決算の発表スケジュールは以下の通り:
- 第1四半期(Q1):8月上旬〜中旬
- 第2四半期(Q2):2月上旬〜中旬
- 第3四半期(Q3):5月上旬〜中旬
- 第4四半期(Q4) および通期決算:8月上旬〜中旬
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の株価
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の現在のリアルタイム株価チャート(TradingView)を表示しています。
チャートには、RSI(Relative Strength Index)を表示しています。相場の過熱感の指標として参考。 ※RSIが70%~80%を超えると買われ過ぎ、反対に20%~30%を割り込むと売られ過ぎの目安。
ヴィアヴィ(VIAV)の四半期:売上推移
四半期ごとの売上予測と実績値、対前年比の推移です。
| 年度(四半期) | 発表日 | 売上予測 | 売上実績 | 対前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 2020:Q3 | 274.36 | 256.2 | — | |
| 2020:Q4 | 259.39 | 266.6 | — | |
| 2021:Q1 | 277.4 | 284.7 | — | |
| 2021:Q2 | 290.46 | 299.9 | — | |
| 2021:Q3 | 290.52 | 303.4 | 18.42% | |
| 2021:Q4 | 300.83 | 310.9 | 16.62% | |
| 2022:Q1 | 310.59 | 326.8 | 14.79% | |
| 2022:Q2 | 304.23 | 314.8 | 4.97% | |
| 2022:Q3 | 309.34 | 315.5 | 3.99% | |
| 2022:Q4 | 320.73 | 335.3 | 7.85% | |
| 2023:Q1 | 325.7 | 310.2 | -5.08% | |
| 2023:Q2 | 271.95 | 284.5 | -9.63% | |
| 2023:Q3 | 250.32 | 247.8 | -21.46% | |
| 2023:Q4 | 251.91 | 263.6 | -21.38% | |
| 2024:Q1 | 249.69 | 247.9 | -20.08% | |
| 2024:Q2 | 251.01 | 254.5 | -10.54% | |
| 2024:Q3 | 249.58 | 246 | -0.73% | |
| 2024:Q4 | 251.84 | 252 | -4.40% | |
| 2025:Q1 | 240.09 | 238.2 | -3.91% | |
| 2025:Q2 | 259.99 | 270.8 | 6.40% | |
| 単位:百万ドル | ||||
ヴィアヴィ(VIAV)の四半期:キャッシュフロー推移
四半期ごとの営業CFと、営業CFマージン、フリーCFの推移です。
- 営業CF: 本業で稼いだ現金の総額。
- フリーCF: 企業が自由に使えるお金。企業の本当の稼ぐ力。
- 営業CFマージン:稼ぐ効率を示す指標。売上の何%が現金として残るか。(15%以上で優良)
| 年度(四半期) | 発表日 | 営業CF | 営業CFマージン | フリーCF |
|---|---|---|---|---|
| 2020:Q3 | 39.1 | 15.26% | 28.8 | |
| 2020:Q4 | 27.2 | 10.20% | 18.9 | |
| 2021:Q1 | 63.9 | 22.44% | 55.9 | |
| 2021:Q2 | 68.7 | 22.91% | 58.2 | |
| 2021:Q3 | 48.1 | 15.85% | 39.9 | |
| 2021:Q4 | 62.6 | 20.14% | 37.2 | |
| 2022:Q1 | 53.4 | 16.34% | 37.7 | |
| 2022:Q2 | 22.2 | 7.05% | 3.8 | |
| 2022:Q3 | 28.9 | 9.16% | 9.6 | |
| 2022:Q4 | 73.6 | 21.95% | 54.5 | |
| 2023:Q1 | 26.6 | 8.58% | 11.8 | |
| 2023:Q2 | 46.2 | 16.24% | 28.1 | |
| 2023:Q3 | 17.8 | 7.18% | 7 | |
| 2023:Q4 | 23.5 | 8.92% | 16.1 | |
| 2024:Q1 | 50.3 | 20.29% | 43.6 | |
| 2024:Q2 | 20.4 | 8.02% | 14.6 | |
| 2024:Q3 | 19.5 | 7.93% | 16.3 | |
| 2024:Q4 | 26.2 | 10.40% | 22.4 | |
| 2025:Q1 | 13.5 | 5.67% | 6.2 | |
| 2025:Q2 | 44.7 | 16.51% | 36.5 | |
| 単位:百万ドル | ||||
ヴィアヴィ(VIAV)の四半期:営業利益推移
四半期ごとの営業利益と営業利益率の推移です。
- 営業利益: 本業で稼ぐチカラを示す最重要の利益。
| 年度(四半期) | 発表日 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2020:Q3 | 7.5 | 2.93% | |
| 2020:Q4 | 21.8 | 8.18% | |
| 2021:Q1 | 30.7 | 10.78% | |
| 2021:Q2 | 41 | 13.67% | |
| 2021:Q3 | 33.2 | 10.94% | |
| 2021:Q4 | 31 | 9.97% | |
| 2022:Q1 | 47.2 | 14.44% | |
| 2022:Q2 | 49.2 | 15.63% | |
| 2022:Q3 | 40.8 | 12.93% | |
| 2022:Q4 | 48 | 14.32% | |
| 2023:Q1 | 50.3 | 16.22% | |
| 2023:Q2 | 24.2 | 8.51% | |
| 2023:Q3 | 6.2 | 2.50% | |
| 2023:Q4 | 18.1 | 6.87% | |
| 2024:Q1 | 13.8 | 5.57% | |
| 2024:Q2 | 16.4 | 6.44% | |
| 2024:Q3 | -12.4 | -5.04% | |
| 2024:Q4 | 7.5 | 2.98% | |
| 2025:Q1 | 7.3 | 3.06% | |
| 2025:Q2 | 22.3 | 8.23% | |
| 単位:百万ドル | |||
ヴィアヴィ(VIAV)の四半期:EPS推移
四半期ごとのEPS予測とEPS実績値の推移です。
| 年度(四半期) | 発表日 | EPS予測 | EPS実績 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 2020:Q3 | 0.13 | 0.14 | 0.05 | |
| 2020:Q4 | 0.13 | 0.18 | 0.08 | |
| 2021:Q1 | 0.17 | 0.21 | 0.06 | |
| 2021:Q2 | 0.19 | 0.23 | -0.01 | |
| 2021:Q3 | 0.17 | 0.18 | 0.05 | |
| 2021:Q4 | 0.19 | 0.22 | 0.05 | |
| 2022:Q1 | 0.21 | 0.24 | 0.03 | |
| 2022:Q2 | 0.19 | 0.24 | 0.03 | |
| 2022:Q3 | 0.21 | 0.22 | 0.03 | |
| 2022:Q4 | 0.23 | 0.24 | 0 | |
| 2023:Q1 | 0.23 | 0.23 | -0.09 | |
| 2023:Q2 | 0.11 | 0.14 | -0.03 | |
| 2023:Q3 | 0.08 | 0.08 | 0.02 | |
| 2023:Q4 | 0.08 | 0.1 | 0.01 | |
| 2024:Q1 | 0.1 | 0.09 | 0.01 | |
| 2024:Q2 | 0.09 | 0.11 | -0.03 | |
| 2024:Q3 | 0.07 | 0.06 | 0.01 | |
| 2024:Q4 | 0.07 | 0.08 | -0.01 | |
| 2025:Q1 | 0.06 | 0.06 | 0.07 | |
| 2025:Q2 | 0.1 | 0.13 | 0.05 | |
| 単位:百万ドル | ||||
ヴィアヴィ(VIAV)の通期:売上推移
通期の売上予測と実績値、対前年比の推移です。
| 年度(通期) | 発表日 | 売上予測 | 売上実績 | 対前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 2017年 | — | 810.23 | 811.4 | — |
| 2018年 | 871.91 | 880.4 | 8.50% | |
| 2019年 | 1120 | 1130 | 28.35% | |
| 2020年 | 1130 | 1140 | 0.88% | |
| 2021年 | 1190 | 1200 | 5.26% | |
| 2022年 | 1260 | 1290 | 7.50% | |
| 2023年 | 1110 | 1110 | -13.95% | |
| 2024年 | 1000 | 1000 | -9.91% | |
| 2025年 | 1080 | 1080 | 8.00% | |
| 2026年 | — | 1390 | — | — |
| 2027年 | — | 1510 | — | — |
| 2028年 | — | 1670 | — | — |
| 単位:百万ドル | ||||
ヴィアヴィ(VIAV)の通期:キャッシュフロー推移
四半期ごとの営業CFと、営業CFマージン、フリーCFの推移です。
| 年度(通期) | 発表日 | 営業CF | 営業CFマージン | フリーCF |
|---|---|---|---|---|
| 2017年 | — | 94.3 | 11.62% | 55.7 |
| 2018年 | 66 | 7.50% | 23.5 | |
| 2019年 | 138.80 | 12.28% | 93.8 | |
| 2020年 | 135.60 | 11.89% | 103.7 | |
| 2021年 | 243.30 | 20.28% | 191.2 | |
| 2022年 | 178.10 | 13.81% | 105.6 | |
| 2023年 | 114.10 | 10.28% | 63 | |
| 2024年 | 116.4 | 11.64% | 96.9 | |
| 2025年 | 89.8 | 8.31% | 62 | |
| 単位:百万ドル | ||||
ヴィアヴィ(VIAV)の通期:営業利益推移
通期の営業利益と営業利益率の推移です。
| 年度(通期) | 発表日 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2017年 | — | 35.2 | 4.34% |
| 2018年 | 10.2 | 1.16% | |
| 2019年 | 76.9 | 6.81% | |
| 2020年 | 90.1 | 7.90% | |
| 2021年 | 135.9 | 11.33% | |
| 2022年 | 185.2 | 14.36% | |
| 2023年 | 99.1 | 8.93% | |
| 2024年 | 43 | 4.30% | |
| 2025年 | 70.9 | 6.56% | |
| 単位:百万ドル | |||
ヴィアヴィ(VIAV)の通期:EPS推移
通期のEPS予測とEPS実績値の推移です。
| 年度(通期) | 発表日 | EPS予測 | EPS実績 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 2017年 | — | 0.36 | 0.4 | 0.04 |
| 2018年 | 0.43 | 0.46 | 0.03 | |
| 2019年 | 0.66 | 0.68 | 0.02 | |
| 2020年 | 0.69 | 0.73 | 0.04 | |
| 2021年 | 0.8 | 0.83 | 0.03 | |
| 2022年 | 0.93 | 0.95 | 0.02 | |
| 2023年 | 0.53 | 0.55 | 0.02 | |
| 2024年 | 0.32 | 0.33 | 0.01 | |
| 2025年 | 0.45 | 0.47 | 0.02 | |
| 2026年 | — | 0.67 | — | — |
| 2027年 | — | 0.83 | — | — |
| 2028年 | — | 1.25 | — | — |
| 単位:百万ドル | ||||
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の将来性と今後の株価見通しは?
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の将来性は、現在の業績回復局面における進捗に加え、5G/6G展開の継続・光ファイバー普及・3Dセンシング拡大という3つの主要トレンドと強く結びついている点で、中長期的な成長ポテンシャルを持つと評価される。
将来展望:5G/6G展開による成長機会
- ヴィアヴィ・ソリューションズは、5G展開のピーク期(2024〜2026年)に大きな成長機会を迎えている。
- 5G SA(スタンドアローン)への移行、ミリ波展開、O-RAN普及により、新たなテスト需要が継続的に発生する。
- 2026年以降、6G研究開発が本格化し、次世代ネットワークテストの先行者利益を獲得できる可能性がある。
業績回復の継続と収益性改善
- 2025年6月期に黒字転換を達成(純利益3,480万ドル)し、業績回復の軌道に乗っている。
- 営業利益率が5.3%に向上(前期2.1%)しており、収益性改善が進展している。
- コスト削減と事業再編の効果が顕在化し、利益率のさらなる改善が期待される。
- ソフトウェア・サービス収益の増加により、継続的な収益基盤が強化される。
光ファイバー通信市場の長期的な成長
- FTTHの世界的な展開は長期的なトレンドであり、光ファイバーテスト需要は継続する。
- 特にアジア太平洋地域での光ファイバー展開は今後10年間継続すると予測されている。
- 100G/400G/800G高速光通信への移行により、高性能テスト機器の需要が増加する。
3Dセンシング・自動運転市場の成長
- スマートフォンの顔認証技術は標準機能として普及しており、安定的な需要がある。
- 自動運転車両のLiDARシステム需要は2026年以降に本格化すると予測されている。
- AR/VRヘッドセット(Apple Vision Pro等)の普及により、新たな3Dセンシング需要が発生する可能性がある。
リスク要因と課題
- 5G展開の鈍化:一部地域で5G展開が予想より遅れており、テスト機器需要に影響する可能性。
- 中国市場への依存:中国の通信事業者が重要な顧客であり、米中関係の悪化が事業に影響する可能性。
- 競合の技術開発:Keysightなど競合の技術開発により、競争が激化する可能性。
- 3Dセンシング市場の変動:スマートフォン市場の成熟化により、3Dセンシング需要が減速する可能性。
- 為替リスク:グローバル企業として、為替変動が業績に影響する。
VIAVIは光通信の景気サイクルに左右されるのか?構造的リスクと回復ポイント
通信キャリア設備投資(CAPEX)の循環性という構造的リスク
- 通信キャリアCAPEXの3〜5年サイクル:
- 通信事業者の設備投資は、新規技術導入期に集中し、その後は保守フェーズに移行
- 4G展開期(2012〜2016年):大規模なテスト機器需要
- 4G成熟期(2017〜2020年):テスト機器需要が大幅に減少
- 5G展開期(2021〜2026年):再び大規模な需要が発生
- VIAVIの業績は、この5年サイクルに大きく左右される構造
- 中国向け光ネットワーク需要の不透明感:
- 中国は世界最大の通信インフラ市場(全世界の30〜40%)
- 米中技術覇権競争により、米国企業の中国市場アクセスが制限される可能性
- 中国政府の「自国製品優先政策」により、VIAVIの市場シェアが低下リスク
- 2023〜2024年、中国向け売上が前年比20〜30%減少した四半期も発生
データセンター需要が”下支え”する構造への移行
- 通信キャリアCAPEXへの依存度低下:
- 2020年時点:売上の60〜70%が通信キャリア向け
- 2025年目標:売上の50〜55%が通信キャリア、30〜35%がデータセンター・クラウド向け
- データセンター市場はAI/クラウドの継続的な成長により、景気サイクルが緩やか
- AIインフラ投資の継続性:
- Microsoft、Google、Amazon、Metaの年間設備投資は2000〜3000億ドル規模
- AIモデル訓練用のGPUクラスターが年率50%以上で拡大
- 光接続テスト需要は、通信キャリアのような急激な需要減少が発生しにくい
- 5G展開ピーク後(2027年以降)も、データセンター需要が業績を下支え
高マージンのOSP部門が全体の安定剤に
- OSP部門の収益安定性:
- 紙幣・政府ID向けは長期契約(5〜10年)で需要が極めて安定
- AR/VR市場の成長により、高成長と高利益率を両立
- OSPの売上構成比:2020年30%→2025年40%→2030年目標50%
- OSP比率が高まるほど、通信キャリアCAPEXサイクルへの依存度が低下
- 景気サイクル耐性の向上:
- NSE(通信テスト):景気サイクル感応度高い
- OSP(光学技術):景気サイクル感応度低い
- 2つの事業ポートフォリオにより、業績のボラティリティが低下傾向
株価のバリュエーションと投資判断
- ヴィアヴィ・ソリューションズの株価は、業績回復を反映して上昇傾向にある。
- 黒字転換と収益性改善により、投資家の評価が向上している。
- 一方で、5G展開ピーク後の成長鈍化懸念により、株価の上値が抑えられる可能性もある。
- 投資判断のポイントは、収益性の継続的な改善、ソフトウェア収益の増加、6G研究開発への参入タイミングである。
これらの要素を総合すると、ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)は「5G展開期における業績回復局面の通信インフラ企業」として、中長期的に堅調な成長を実現できる立ち位置にある。短期的には5G展開の進捗と収益性改善が重要であるが、長期的には光ファイバー・3Dセンシング・6Gという複数の成長機会により、安定した成長と株価上昇の可能性を持つミドルリスク・ミドルリターン型の投資先といえる。
まとめ
ヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)の事業内容、ビジネスモデル、競合環境、成長市場、株価の特徴、そして将来性について幅広く見てきました。 特に、5Gネットワークテスト、光ファイバー通信、3Dセンシング技術という3つの成長分野でバランスの取れたポートフォリオを持つ点が、同社の大きな魅力となっています。
幅広い製品ラインナップ、グローバル顧客基盤、コスト競争力、そして2025年6月期の黒字転換は、ヴィアヴィ・ソリューションズの業績回復と成長ポテンシャルを示しています。 一方で、5G展開の鈍化リスクや中国市場への依存、競合との技術競争といった課題も存在しています。
個人的にも、通信インフラ関連銘柄の中でもヴィアヴィ・ソリューションズ(VIAV)は特に「5G×光ファイバー×3Dセンシング」という3つの要素を兼ね備えた銘柄として、注目しています。
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