このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/09/17 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
QS(クアンタムスケープ) | 12.13 | +18.23% | 全固体電池 | Ducati実機デモ評価継続 |
CLSK(クリーンスパーク) | 13.46 | +17.66% | ビットコイン採掘 | BTC高止まり連動高 |
BFLY(バタフライ・ネットワーク) | 1.89 | +15.95% | 携帯超音波・医療AI | 特になし、出遅れ? |
LEU(セントラス・エナジー) | 262.65 | +14.12% | 濃縮ウラン・燃料サービス | 米戦略ウラン備蓄拡充観測 |
FORM(フォームファクター) | 36.04 | +13.44% | 半導体テスト装置 | 特になし、テーマの流れ |
OUST(アウスター) | 34.72 | +13.43% | LiDAR・産業自動化 | 決算評価と需給主導 |
SNPS(シノプシス) | 480.11 | +12.56% | EDA・AI半導体設計 | AI設計需要期待 |
RGTI(リゲッティ・コンピューティング) | 24.74 | +12.51% | 量子コンピューティング | 52週高更新の量子物色 |
OKLO(オクロ) | 104.97 | +10.16% | 小型原子炉(SMR) | 政策支援報道の波及 |
MKSI(エムケーエス・インスツルメンツ) | 129.92 | +8.77% | 半導体製造装置 | Q2好決算評価と高値更新 |
MOB(モビリコム) | 8.06 | +7.18% | ドローン通信・国防 | 米ティア1顧客受注増の余韻 |
個人的所感
原子力チェーンと量子に引き続き資金流入。LEU・OKLOは政策支援ヘッドラインの継続波及、RGTIは52週高更新でモメンタム強勢。
全固体電池(QS)は実機デモの好感が長引き、暗号資産高でCLSKが続伸。半導体ではSNPS・MKSIがAI設計需要/装置需要の思惑で上昇。
一方、BFLYやFORMなど材料希薄銘柄の同調高も散見。
テーマ主導の相場地合いが続く中、ニュース鮮度と連想の強さが短期パフォーマンスを左右する様相に見える。
全体にFOMCイベント通過で利下げ期待によるポジティブ要素を反映しているが、ネガティブニュースで一気に冷める可能性も視野に。
市場インサイト
【分析日】2025/09/18
全体ムード
米株は主要3指数が揃って最高値更新、メガテック主導と初回利下げ通過後のリスク選好継続で強含み。欧州はSTOXX600が続伸しテック牽引、日本は日経平均が反落で高値圏の過熱整理。
金利は米10年が小幅上昇・独は低下・JGBは横ばいでイベント後の微調整、為替はドル安・円高・ユーロ高の組み合わせでリスクリバーサル良化。
コモディティはWTIが続落・金は高値圏持ち合い、クリプトは小幅まちまちでイベントボラ剥落の過程。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 46,142.42 | +124.10 (+0.27%) | 利下げ通過後の安心感と金融・資本財の追随で上昇である |
S&P500 | 6,631.96 | +31.61 (+0.48%) | メガテック買いとソフトランディング観測で上昇である |
ナスダック | 22,470.73 | +209.40 (+0.94%) | AI関連・半導体に資金回帰で上昇である |
日経225 | 44,790.38 | -111.89 (-0.25%) | 高値圏の利確優勢、イベント前の様子見である |
STOXX600 | 555.01 | +4.38 (+0.80%) | 米利下げ追随のテック主導で続伸である |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.07 % | +3 | 利下げ通過後の前倒し観測後退でわずかに上昇である |
ドイツ | 2.68 % | -2 | 低インフレ観測と品質志向で利回り低下である |
日本 | 1.60 % | 0 | 日銀会合前後の様子見で横ばいである |
為替
- USD/JPY 146.41(-0.67%):米金利上昇限定でドル売り・円買い先行である。
- EUR/USD 1.1805(+0.37%):米利下げ通過後のドル安地合いでユーロ高である。
- USD/CNY 7.1130(-0.16%):当局中間値ガイダンス下の小幅な元高である。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $64.39/bbl | -0.39% | 需要見通し不透明感と在庫思惑で続落である |
Brent原油 | $68.06/bbl | -0.26% | マクロ不確実性とドル安の相殺で小反落である |
天然ガス | $3.10/MMBtu | -0.10% | 在庫と気温見通しの綱引きで小動きである |
金(現物) | $3,681.80/oz | -0.05% | 実質金利横ばいで高値圏持ち合いである |
銀 | $42.50/oz | -0.40% | 金連動の小反落である |
銅 | $4.70500/lb | -0.27% | 中国関連ヘッドライン待ちのレンジである |
クリプト
- ビットコイン $115,000.00(-0.31%):イベント通過後の持ち高調整で小反落である。
- イーサリアム $4,520.00(-0.08%):材料難のレンジ推移で小動きである。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/09/19(金)日銀・政策決定・総裁会見:ガイダンスと国債買入運営の調整有無に焦点。
- 2025/09/19(金)日本・全国CPI(8月):エネルギー寄与とコア基調の鈍化度合いに注目。
- 2025/09/23(火)グローバルPMI速報(米・欧・英):需要・価格指数の方向性とサービス主導の持続性に焦点。
- 2025/09/24(水)米・新築住宅販売:金利低下後の住宅需要の弾力性を点検。
インサイトまとめ
- 米大型グロース偏重の上げ継続、指数はイベント通過のモメンタム追随もヘッジ厚めが無難。
- 欧州テックの相対強さ台頭、短期は米半導体とのペアで回転が良さげ。
- デュレーションは中立〜やや長め、米10年4%台前半は逢い場拾いが妥当。
- 為替はドル安バイアス、EUR買い戻し優位・USD/JPYは146台の逆張りが無難。
- 原油は戻り売り・金は押し目買い、銅はヘッドライン待ちで薄めの押し目が良さげ。
- クリプトは軽めのスタンス維持、イベントボラ剥落後の段階的な押し目が無難。