このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/09/11 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
RENT(レント・ザ・ランウェイ) | 7.89 | +29.56% | ファッションEC・レンタル | Q2決算・再資本化計画公表 |
RCAT(レッドキャット・ホールディングス) | 11.00 | +29.11% | ドローン・防衛 | NATO調達カタログ認定公表 |
BITF(ビットファームズ) | 2.04 | +16.57% | ビットコイン採掘 | BTC上昇連動とHPC転用期待 |
ONDS(オンダス・ホールディングス) | 6.42 | +15.47% | ドローン・ロボティクス | 公募増資クローズ報道 |
TEM(テンパスAI) | 88.78 | +13.59% | 医療AI・診断 | 心画像解析ソフトFDA承認 |
SMTK(スマートケム) | 1.73 | +13.07% | マイクロLED・有機TFT | (なし) |
ZETA(ゼタ・グローバル) | 20.76 | +10.09% | マーケティングAI・CDP | Zeta Live 2025ラインアップ発表 |
JMIA(ジュミア・テクノロジーズ) | 9.73 | +8.84% | アフリカEC | Q2決算後の上昇続く |
ARQQ(アーキット・クオンタム) | 30.26 | +8.83% | 量子暗号・セキュリティ | 年次総会決議・取締役選任 |
OUST(アウスター) | 30.73 | +8.62% | LiDAR・産業自動化 | Q2好決算評価続く |
TMDX(トランスメディクス・グループ) | 116.99 | +8.54% | 移植医療・臓器保存輸送 | MS会議出席予定・好決算余韻 |
OKLO(オクロ) | 79.97 | +8.43% | 小型原子炉・燃料リサイクル | 燃料再処理施設計画報道 |
IONQ(イオンキュー) | 47.05 | +7.27% | 量子コンピューティング | 政府向け新部門設立 |
個人的所感
中小型グロースに資金回帰の流れ。
米株主要指数の上昇基調と利下げ観測の追い風により、テーマ物色の拡散を確認(S&P500続伸)。
個別では、医療AIのFDA承認(TEM)、ドローンの制度面・調達進展(RCAT・ONDS)、量子関連の政策・企業発表(IONQ・ARQQ)、核エネルギーの循環燃料シフト(OKLO)が明確な材料で強い。
BITFは、NBISとマイクロソフト契約からのHPC物色と暗号資産高により、多面的に強い。
一方で、決算・カンファレンス余韻での上昇も目立つ(OUST・TMDX・ZETA)。材料乏しい銘柄の同調高(SMTK・JMIA)はテーマ相場の側面強く、短期過熱感には留意が必要だが、長期トレンドも意識しておきたいところ。
市場インサイト
【分析日】2025/09/11
全体ムード
米株は主要3指数がそろって最高値更新のリスク選好回復相場。背景はインフレ指標の弱さと失業保険増による利下げ観測の再強化とメガテック需給の良化。欧州はECB据え置きを追い風に上昇、日本は日経の連日高値圏で堅調推移。10/4の総裁選まで期待による強さを継続するか注視。
債券は米低下・独横ばい・JGBレンジの利回り収斂、為替はドル安一服のレンジ。コモディティは原油小反落×金の高値圏滞留の対照。短期スタンスはクオリティ厚め・ベータ抑制の流れか。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 46,108.00 | +617.08 (+1.36%) | 利下げ観測の再強化と金融・テック高で史上初の46,000台乗せ。 |
S&P500 | 6,587.47 | +55.43 (+0.85%) | 物価・雇用の弱さを好感したクオリティ買いの継続。 |
ナスダック | 22,043.07 | +157.01 (+0.72%) | メガテック主導の最高値更新。 |
日経225 | 44,188.37 | +350.70 (+0.80%) | テック主導と米利下げ観測の波及で連日高値圏。 |
STOXX600 | 555.13 | +2.84 (+0.51%) | ECB据え置き後のセンチメント改善。 |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.00 % | -2 | 物価・雇用の弱さで金利低下。 |
ドイツ | 2.65 % | -1 | 米金利低下波及の小幅連れ安。 |
日本 | 1.60 % | 0 | 政策据え置き観測下のレンジ推移。 |
為替
- USD/JPY 147.44(-0.01%):指標後のドル安一服で小動き。
- EUR/USD 1.1712(+0.06%):ユーロ小幅続伸のレンジ推移。
- USD/CNY 7.1210(+0.00%):当局ガイダンス下の狭いレンジ推移。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
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WTI原油 | $63.53/bbl | -0.24% | 米需給軟化観測とOPEC+増産見通しで小反落。 |
Brent原油 | $67.35/bbl | -0.21% | 同様の需給要因で小幅安。 |
天然ガス | $3.11/MMBtu | -0.13% | 需給横ばいとポジション整理の往来。 |
金(現物) | $3,638.70/oz | +0.32% | 利下げ観測と安全資産需要で高値圏維持。 |
銀 | $41.10/oz | +0.54% | 金高連動と投資需要の下支え。 |
銅 | $4.54/lb | +0.89% | 景気期待の持ち直しと在庫見合いの自律反発。 |
クリプト
- ビットコイン $112,250.00(+0.68%):株高・金利低下局面下のリスク許容度回復。
- イーサリアム $4,440.37(+1.35%):L2フロー継続と需給タイト化観測の相対強。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/09/12(金)米・ミシガン消費者信頼感速報(9月)—インフレ期待の方向性
- 2025/09/12(金)英国・月次GDP(7月)—サービス牽引の持続性点検
- 2025/09/16(火)米・小売売上高(8月)—実質消費の粘り確認
- 2025/09/17(水)FOMC政策金利—初回利下げ幅とドット見通しの焦点
インサイトまとめ
- 利下げ観測×最高値更新の併走相場継続によるクオリティ偏重の優位
- 債券は中期デュレーション軸の段階積み増し
- 為替はドルのレンジ回帰前提の短期回転、ドル円は147台中心の攻防
- コモディティは原油の戻り売り×金の押し目維持のペア運用
- クリプトはBTC軸・ETH相対強のサイズ抑制回転運用