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TMV(米国長期債ベア3倍ETF)とは?株価の仕組みとTMFとの違い、長く持つと減る理由を解説

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このサイトは、私(@mifsee)が個人的に学びながら企業分析や銘柄分析を進め、その過程を記録としてまとめているものです。

あくまで個人の調査・整理を目的とした内容であり、誤りや実際と異なる情報が含まれる可能性があります。
また、MifseeではAI技術を活用した運用や、技術習得を目的とした実験的な取り組みも行っています。ご覧いただく際には、その点をご理解のうえご利用ください。

はじめに

TMV は、米国の長期国債の指数の「1日の値動き」を、逆方向に3倍にして返すことを目指すETFである。長期金利が上がって長期国債の価格が下がる日に約3倍上がり、金利が下がって価格が上がる日には約3倍下がる。

姉妹ファンドのTMFは、同じ指数の値動きを同じ方向に3倍にする。TMF が「金利が下がる」ほうに賭ける商品だとすれば、TMV は「金利が上がる」ほうに賭ける商品である。

TMV の株価は、2022年の1年間(会計年度)で+177.78%になった一方、2025年末までの10年間では年率−4.85%だった。この10年間、連動する長期国債の指数自身も年率−0.45%と下がっていたにもかかわらず、である。この記事では、なぜそうなるのかを、運用会社 Direxion が米国証券取引委員会(SEC)に提出した目論見書・年次報告書・半期報告書・保有明細の報告をもとに見ていく。

TMV とはどんな ETF?

TMV の基本情報は以下。

項目 内容
正式名称 Direxion Daily 20+ Year Treasury Bear 3X ETF
日本語の名称 Direxion デイリー 20年超 米国債 ベア3倍 ETF
ティッカー TMV(上場先は NYSE Arca)
運用会社 Direxion(レバレッジ型・インバース型のETFを専門に扱う米国の運用会社)
目標 ICE U.S. Treasury 20+ Year Bond Index の1日の値動きの−300%(手数料・経費を差し引く前)
純資産総額 約1.93億ドル(2026年7月31日時点)
経費率 0.97%(免除なし)

出典: 要約目論見書(2026年2月27日)、保有明細の報告(N-PORT、2026年7月31日時点)

「ベア(Bear)」は、相場の下落で利益が出る側を指す言葉である。TMV の場合、下落を狙う対象は長期国債の価格で、金利ではない。債券の価格と金利は逆に動くため、結果として「長期金利が上がると TMV が上がる」ことになる。

連動する指数

連動先の ICE U.S. Treasury 20+ Year Bond Index は、満期までの残りの期間が20年を超える、固定金利の米国債で構成される指数である。物価連動債や、利息を切り離したゼロクーポン債は含まない。2025年12月末時点の構成銘柄は45本で、毎月末に入れ替えが行われる(要約目論見書)。

TMV は2016年5月2日に、連動先を NYSE 20 Year Plus Treasury Bond Index からこの指数に切り替えた(要約目論見書)。この指数は、TLT(iシェアーズ 米国国債20年超 ETF)や TMF が連動する指数と同じである。

金利が上がると、なぜ TMV は上がる?

債券の価格は、金利と逆の方向に動く。金利が上がると、すでに発行されている低い金利の債券は相対的に魅力が下がり、価格が下がる。満期までの期間が長い債券ほど、この影響を長く受けるため、価格の変化が大きい。

TMV は、この長期国債の価格の1日の動きを逆向きに3倍にする。

その日の長期金利 長期国債の指数 TMV(目標)
上がる 下がる(例: −1%) 上がる(約+3%)
下がる 上がる(例: +1%) 下がる(約−3%)

※1日の値動きの例。手数料・経費を差し引く前

長期金利がどう動くかは、インフレ、米国の中央銀行(FRB)の金融政策、国債の発行量など、多くの要因で決まる。利下げの局面で恩恵を受けやすいセクターや銘柄は「米利下げでメリットのある関連銘柄」で整理している。

TMV の「−3倍」の仕組みは?

3倍になるのは「1日」だけ

TMV が目指すのは、その日1日の指数の値動きの−3倍である。1週間や1年といった長い期間で、指数の−3倍になることは目指していない。目論見書も「1取引日と異なる期間について、目標を達成することは目指していない」と書いている。

レバレッジETFは、毎日の取引の終わりに、翌日も−3倍の値動きになるよう持ち高を調整し直す。そのため、値動きが上下に揺れると、指数が元の水準に戻っても TMV は元に戻らない。

指数 −3倍のETF
1日目:指数が10%下がる 100 → 90 100 → 130
2日目:指数が約11.1%上がる 90 → 100 130 → 約86.7
2日間の結果 ±0% 約−13.3%

※計算のための仮の数字

指数は元に戻ったのに、−3倍のETFは約13.3%減っている。同じ動きを3倍のETF(TMF型)に当てはめると、100→70→約93.3で、減り方は約6.7%である。逆向きのレバレッジは、同じ揺れでも目減りが大きくなりやすい(次の節の目論見書の試算でも確かめられる)。

目論見書の試算:指数が横ばいでも、下がっても損をする

目論見書には、1年間の指数の値動きの激しさ(年率の変動率)ごとに、TMV のリターンがどうなるかの試算表が載っている。一部を抜き出す。

1年間の指数のリターン 単純な−3倍 変動率10% 変動率25% 変動率50%
−30% +90% +174.6% +100.4% −34.9%
−10% +30% +29.2% −5.7% −69.4%
0%(横ばい) 0% −5.8% −31.3% −77.7%
+10% −30% −29.2% −48.4% −83.2%

出典: 要約目論見書(2026年2月27日)。経費・借入コストをゼロとした仮定の数字

読み取れることは3つある。

  • 指数が大きく、まっすぐ下がる年は、−3倍を上回る: 指数が−30%で値動きが穏やか(変動率10%)なら、TMV は+174.6%と、単純な−3倍(+90%)の約2倍になる
  • 指数が下がっても損をすることがある: 指数が−10%でも、変動率が25%なら TMV は−5.7%。金利上昇の見通しが当たっても、途中の揺れが大きければ負ける
  • 横ばいなら確実に減る: 変動率10%で−5.8%、25%なら−31.3%

この指数の2025年末までの5年間の変動率は年率15.65%、暦年で最も高かった年は19.70%だった(要約目論見書)。試算表の「10%〜25%」の間にあたる。

TMF と比べると、横ばいのときの減り方が大きい

同じ指数の3倍を目指す TMF の目論見書にも、同じ形の試算表がある。指数が1年で横ばいだった場合の行を並べる。

指数の年間の変動率 10% 25% 50% 75% 100%
TMV(−3倍) −5.8% −31.3% −77.7% −96.6% −99.8%
TMF(+3倍) −3.0% −17.1% −52.8% −81.5% −95.0%

出典: 各ETFの要約目論見書(2026年2月27日)

どの変動率でも、TMV のほうが減り方が大きい。変動率25%では、TMF の−17.1%に対して TMV は−31.3%と、2倍近い。同じ指数の「逆3倍」は「3倍」よりも、持ち続けるだけで減りやすいということが、運用会社自身の試算に表れている(筆者の補足)。

TMV の中身は?

中身はすべて「スワップ契約」

TMV は、長期国債を空売りしているわけではない。2026年4月末の半期報告書で、TMV の持ち高は次のようになっている。

  • TLT を対象にしたトータル・リターン・スワップ: −300%(TLT の値動きの逆を受け取る契約)
  • 債券: 持っていない
  • 現金: 純資産の99.5%を、短期の米国債などで運用するマネー・マーケット・ファンド3本で持っている

出典: 半期報告書(2026年4月期)

スワップの相手先は、BNP Paribas、Goldman Sachs、Bank of America、J.P. Morgan、UBS、Citi の6社で、想定元本(契約の対象となる金額)の合計は約5.41億ドルだった(同)。

TMF との違いは、ここにある。

TMV TMF
目標 指数の1日の値動きの−3倍 指数の1日の値動きの+3倍
中身 TLT を対象にしたスワップ(−300%)だけ TLT(約70%)+TLT を対象にしたスワップ(約230%)
現金 純資産のほぼ全部をマネー・マーケット・ファンドで保有 純資産の4割前後

出典: 半期報告書(2026年4月期)

TMF は、目標の一部を TLT そのものを持つことで作れる。TMV は「TLT の値下がり」を持つ方法がないため、−300%のすべてを銀行などとの契約で作っている。契約の相手先が約束を守れなくなると、成績に直接響く。目論見書も、スワップの相手先のリスクを主なリスクに挙げている。

「売り」の持ち高を保つには費用がかかる

目論見書は、売りの持ち高(ショート)について次のように書いている。

歴史的に多くの資産は長期的に値上がりしてきたため、売りの持ち高、ひいてはファンドの価値は、複利の影響や日々の持ち高の調整とは別に、時間とともに下がると予想される。……売りの持ち高を得たり保ったりする費用は、ファンドのリターンを下げる(要約目論見書、筆者訳)

運用会社自身が、TMV の価値は「時間とともに下がると予想される」と書いている点は、知っておきたい。

筆者の補足として、債券の場合はもう1つの要因がある。TMV の契約の対象である TLT の値動きには、保有する国債から受け取る利息も含まれる。TLT の逆を受け取る契約では、価格が動かなくても、利息の分だけ不利になる方向に働く。一方で、TMV は純資産のほぼ全部を短期の米国債などで運用しているため、その利息は受け取れる。長期と短期の金利の差によって、この2つの差し引きは変わる。

TMV の実際の成績は?

会計年度ごとの成績(TMF・指数と並べて)

TMV の会計年度は11月〜翌年10月である。

会計年度(10月末まで) TMV TMF 指数
2016年 −31.87% +23.01% ―
2017年 +1.75% −13.64% ―
2018年 +19.71% −23.07% ―
2019年 −52.34% +88.98% ―
2020年 −47.66% +22.38% +14.10%
2021年 +2.74% −19.90% −5.50%
2022年 +177.78% −74.89% −33.65%
2023年 +33.09% −41.97% −9.93%
2024年 −29.79% +24.58% +15.22%
2025年 +1.32% −10.28% +2.05%

出典: 年次報告書(2020年10月期・2025年10月期)。TMV・TMF は基準価額ベース。「―」は手元の資料で確かめられなかった年

10年のうち TMV がプラスだったのは6年だが、大きく稼いだのは2022年と2023年の2年だけである。FRB が2022年3月に利上げを始め、長期金利が大きく上がった時期にあたる。

「単純な−3倍」とのずれ

指数の値がわかる2020〜2025年度について、「指数の1年のリターン×−3」と実際の TMV を比べる。

会計年度 指数 単純な−3倍(筆者の計算) 実際の TMV ずれ
2020年 +14.10% −42.3% −47.66% 下回った
2021年 −5.50% +16.5% +2.74% 大きく下回った
2022年 −33.65% +101.0% +177.78% 大きく上回った
2023年 −9.93% +29.8% +33.09% やや上回った
2024年 +15.22% −45.7% −29.79% 上回った(損が小さかった)
2025年 +2.05% −6.2% +1.32% 逆の向きになった

出典: 年次報告書(2025年10月期)。単純な−3倍は筆者の計算

2022年は、指数が一方向に大きく下がったため、毎日の調整が有利に働き、単純な−3倍を大きく上回った。前の節の試算表の「指数が大きく、まっすぐ下がる年」にあたる。

一方、2021年は指数が−5.50%と下がり、TMV にとって追い風の向きだったのに、+2.74%にとどまった。2025年は指数が+2.05%と上がり、TMV にとって逆風の向きだったのに、TMV もプラスだった。1年の指数の上げ下げだけでは、TMV の成績は読めない(筆者の補足)。

TMV と TMF を両方持つと、両方減ることがある

2025年度は、指数が+2.05%と小さく上がった年だった。TMF は指数と同じ向きに動くはずなのに−10.28%、TMV は逆に動くはずなのに+1.32%で、どちらも単純な±3倍から大きくずれた。

暦年(2025年1〜12月)で見ると、さらにはっきりする。

2025年(暦年) リターン
指数 +4.30%
TMV −3.79%
TMF −3.01%

出典: 各ETFの要約目論見書(2026年2月27日)

逆向きに動くよう設計された2本が、同じ年に両方マイナスになっている。値動きの揺れによる目減りは、上がる側・下がる側のどちらにもかかるためである。「TMF と TMV を両方持てば、どちらに動いても大丈夫」とはならない。

長く持った場合の成績

2025年12月31日までの年率 1年 5年 10年
TMV −3.79% +25.17% −4.85%
指数 +4.30% −8.29% −0.45%

出典: 要約目論見書(2026年2月27日)

5年の年率では、指数が年8.29%ずつ下がった期間に、TMV は年25.17%ずつ上がった。2022〜2023年の金利上昇を含む期間である。

一方、10年の年率では、指数が年0.45%ずつ下がっていたのに、TMV も年4.85%ずつ下がった。長期国債の価格はこの10年で下がっていたので、「下がる」ほうに賭けた見通しは、方向としては当たっていたことになる。それでも、毎日の調整による目減りと費用が、それを上回った。目論見書の「指数が1日より長い期間で下がっても、ファンドが損をする可能性さえある」という記述の、実際の例である(筆者の補足)。

最も良かった四半期・悪かった四半期

期間 リターン
最も良かった四半期 2023年7〜9月 +53.97%
最も悪かった四半期 2020年1〜3月 −54.74%

出典: 要約目論見書(2026年2月27日)

3か月で半分以上上がることも、半分以上下がることもある。2020年1〜3月は、新型コロナウイルスの感染拡大で長期国債が買われ、長期金利が大きく下がった時期にあたる(筆者の補足)。

直近の半年(2025年11月〜2026年4月)は、TMV が+15.41%、TMF が−14.41%だった(半期報告書)。

TMV の株価の推移と、併合・分割

チャート

併合と分割の履歴

TMV は、口数を変える手続きを2回行っている。

日付 内容 意味
2020年4月23日 10口を1口にまとめる併合 1口の価格が10倍になる
2023年8月28日 1口を4口に分ける分割 1口の価格が4分の1になる。基準価額は144.20ドルから36.05ドルに

出典: 半期報告書(2020年4月期)、年次報告書(2023年10月期)。2026年4月末までに、ほかの併合・分割は無い

2つの手続きの時期は、成績の表と重なっている(筆者の補足)。

  • 2020年4月の併合: 2019年度に−52.34%、2020年1〜3月に−54.74%と下げが続き、1口の価格が小さくなっていた時期である
  • 2023年8月の分割: 2022年度に+177.78%と大きく上がり、1口の価格が大きくなっていた時期である。分割をはさむ2023年7〜9月の四半期も+53.97%だった

株価のチャートや過去の分配金を見るときは、この併合・分割を調整した値かどうかに注意したい。調整していない値をつなぐと、2020年4月に10倍、2023年8月に4分の1になったように見える。

TMV の経費率と分配金は?

経費率

項目 比率
運用報酬 0.75%
その他の経費 0.13%
投資先ファンド(マネー・マーケット・ファンドなど)の経費 0.09%
経費の合計 0.97%

出典: 要約目論見書(2026年2月27日)

TMF には運用会社による経費の免除があり、免除後は0.90%(免除前1.01%)である。TMV には免除が無く、0.97%がそのままかかる。TLT の経費率0.15%と比べると、6倍以上である。

なお、前の節の目論見書の試算は、経費と、−3倍の持ち高を作るための借入コストをゼロと仮定している。実際の成績は、これらの分だけ試算より下がる。

分配金

会計年度(10月末まで) 1口あたりの分配金
2025年 1.09ドル
2024年 1.48ドル
2023年 0.87ドル
2022年 なし
2021年 なし

出典: 年次報告書(2025年10月期・2023年10月期)

確認できた権利落ち日は、2024年12月23日、2025年6月24日、2025年12月23日、2026年6月23日である。TMV は債券を持たないが、純資産のほぼ全部をマネー・マーケット・ファンドで持っているため、その利息が分配の原資になっていると考えられる(筆者の推測。年次報告書で分配の原資の内訳までは確かめていない)。

TMV と TMF、どちらが多く買われている?

2026年7月末の純資産は、TMV が約1.93億ドル、TMF が約22億ドルだった(各ETFの保有明細の報告)。TMF は TMV の10倍以上の規模である。

同じ指数の逆向きの2本で、これだけ差がある。米国の長期国債に3倍で投資する人の多くは、「金利が下がる(債券価格が上がる)」ほうに資金を置いていることになる(筆者の補足)。

TMV のリスクは?

目論見書に書かれている主なリスクを整理する。

  • 1日で全額を失う可能性: 「指数が1日で33%を超えて上がると、投資家は1日で元本の全額を失う可能性がある」。−3倍のため、指数の33%強の上昇でファンドの下落は100%に達する
  • 長く持つほど−3倍からずれる: 指数が横ばいでも、下がっても損をすることがある
  • 売りの持ち高のリスク: 多くの資産は長期的に値上がりしてきたため、売りの持ち高を持つファンドの価値は時間とともに下がると予想される。売りの持ち高を保つ費用も成績を下げる
  • スワップの相手先のリスク: −300%のすべてを契約で作っているため、相手先の信用力の影響を受ける
  • 金利のリスク: 長期金利が下がると長期国債の価格が上がり、その3倍の影響を受ける

目論見書が想定する使い手

目論見書は、次のように書いている。

このファンドはすべての投資家に適しているわけではない。日々の逆方向のレバレッジ(−3倍)の成果を目指すことの影響と、レバレッジと空売りのリスクを理解し、ポートフォリオを頻繁に見る意思のある、知識のある投資家だけが使うよう設計されている(要約目論見書、筆者訳)

TMF と同じく、長く持つことを前提にした商品ではない。長期金利が上がるという見通しを持つ場合でも、10年の成績が示すとおり、見通しの方向が当たるだけでは足りない。持つ場合は、毎日の値動きを確認し、どこまでの下落を許容するかを先に決めておくことが前提になる。

TMV は NISA で買える?

2024年からの新しいNISAでは、成長投資枠の対象から「デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等」が除外されている(金融庁)。TMV はスワップ契約で−3倍の値動きを作る商品で、つみたて投資枠の対象でもない。

個別のETFがNISAの対象になるかどうかは、証券会社が公表している対象銘柄の一覧で確かめてほしい。

TMV はどこで買える?

TMV は米国の NYSE Arca に上場しているため、米国株を扱う証券会社で売買できる。取り扱いの有無は証券会社ごとに異なり、変わることもあるため、各社のサイトで確かめてほしい。

長期国債そのものに投資するETFには、TLT のほかに、ゼロクーポン債に投資するEDVがある。レバレッジETFの仕組みは、半導体の3倍ETFを扱ったSOXLの記事でも整理している。

まとめ

  • TMV は、残存20年超の米国債の指数の「1日の値動き」の−3倍を目指すETFで、長期金利が上がる日に上がる。中身はすべて TLT を対象にしたスワップ契約で、債券は持っていない
  • 目論見書の試算では、指数が横ばいのときの減り方が TMF より大きい。運用会社自身が、売りの持ち高を持つファンドの価値は時間とともに下がると予想されると書いている
  • 2022年度は+177.78%と、単純な−3倍を大きく上回った。一方、10年の年率では、指数が下がっていたのに TMV も−4.85%だった
  • 2025年は、TMV と TMF が同じ年に両方マイナスだった
  • 2020年に10口→1口の併合、2023年に1口→4口の分割を行っている
  • 経費率は0.97%で免除はなく、純資産は TMF の10分の1以下である

金利の方向を当てることと、TMV で利益を得ることは別のことである。TMV を見るときは、方向だけでなく、その間の値動きの揺れと、持つ期間も合わせて考える必要がある。

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