このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/10/02 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
ONDS(オンダス・ホールディングス) | 9.21 | +25.99% | 無人機・ロボ向け通信 | 低価格消耗型ドローン「Wåsp」米国向け初受注発表 |
USAR(ユーエスエー・レアアース) | 22.71 | +23.36% | クリティカルミネラル | カナコードが目標$22へ引き上げ |
CLPT(クリアポイント・ニューロ) | 25.05 | +19.80% | 脳神経手術ナビ | 自社ロボ型ナビの開発・デモ公表 |
RGTI(リゲッティ・コンピューティング) | 35.40 | +18.59% | 量子コンピューティング | Novera量子システム計$5.7M受注公表 |
ARQQ(アーキット・クオンタム) | 48.59 | +17.94% | 量子暗号 | 量子関連上昇の波及とオプション活況 |
ASTS(ASTスペースモバイル) | 66.16 | +16.19% | 衛星通信・衛星携帯 | AT&T・VerizonとD2C開始計画報道 |
QBTS(ディーウェーブ・クオンタム) | 29.21 | +13.97% | 量子アニーリング | リゲッティ受注のセクター連想高 |
CRSP(クリスパー・セラピューティクス) | 72.82 | +10.07% | 遺伝子編集 | (なし) |
JOBY(ジョビー・アビエーション) | 17.80 | +9.74% | eVTOL・空飛ぶタクシー | FAA進捗・提携報道の余韻 |
PL(プラネット・ラボズ) | 14.85 | +7.84% | 衛星データ・地球観測 | Pelican-5/6とSuperDoves36機の搬入公表 |
INOD(イノデータ) | 87.41 | +6.13% | AIデータ整備 | 10/9開催のGenAIサミット告知 |
個人的所感
量子関連は、リゲッティの装置2台受注を契機に実需とセクター連想が同時に進行する展開。そこからQBTSやARQQへ波及し、テーマ全体への期待が広がる。
宇宙通信ではASTSの大手キャリア連携計画が改めて注目を集め、地球観測ではPLの衛星搬入を背景に実装加速への思惑が強まる。
防衛分野も動きが見え、ONDSの消耗型ドローン受注によって需要顕在化が意識される流れ。さらに、資源ではUSARの目標引き上げがテーマの継続を支えている。
量子、宇宙関連への物色が強い印象です。政府閉鎖の混乱も進む中、個別銘柄は依然強いですね。
市場インサイト
【分析日】2025/10/02
全体ムード
米政府機関の一部閉鎖が2日目に入り、統計公表の遅延リスクが現実味を帯びる中、予算法案を巡る与野党の攻防が続き、市場には政策不確実性の台頭が意識されている。
米マクロでは、JOLTSや消費者信頼感の軟化を引きずりながらも、新規失業保険の週次指標が発表されるか否かを巡る思惑が交錯し、成長の持続力を測りかねる状況。
金融環境は、長期金利の小幅低下とクレジットスプレッドの安定を背景に、株式のバリュエーション許容が広がる構図。
欧州では、HICPコアの減速が確認されたことで金利低下期待が浮上し、物色はテックやデータインフラ関連へとシフト。
日本市場は円安の一服を契機に、外需グロース株の再評価を通じて裁定回帰の動きが強まる。
コモディティでは、原油の需要不透明感と金の高値圏維持が綱引きを演じている。
総じて、相場は財政問題・統計遮断・年後半決算という三重の不確実性をにらみながら、質への回帰とイベントガードの再構築へと進む局面。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 46,519.72 | +93.04 (+0.20%) | 閉鎖リスク下のディフェンシブ回帰とメガキャップ需給 |
S&P500 | 6,715.35 | +6.72 (+0.10%) | 金利小緩和とヘルスケア・テック選好 |
ナスダック | 22,844.05 | +91.38 (+0.40%) | 半導体・AI主力の押し目買い |
日経225 | 44,936.73 | +385.88 (+0.87%) | 円安一服と海外勢の裁定買い回帰 |
STOXX600 | 567.60 | +2.98 (+0.53%) | 金利低下期待とテック牽引 |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.09 % | -2 | 閉鎖リスクとデュレーション回帰 |
ドイツ | 2.73 % | -1 | インフレ減速観測の継続 |
日本 | 1.64 % | 0 | 会合通過後の需給均衡 |
為替
- USD/JPY 146.30(-0.27%):米長期金利低下と月初フローのドル安円高。
- EUR/USD 1.1805(+0.21%):欧州金利低下期待とドル軟化の拮抗。
- USD/CNY 7.1040(-0.03%):中間値運用下のレンジ推移。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $61.70/bbl | -0.45% | 需要不透明観測と在庫思惑 |
Brent原油 | $66.60/bbl | -0.30% | ドル動向とOPEC+観測の相殺 |
天然ガス | $3.08/MMBtu | -0.32% | 近月需給の一服と気温見通し |
金(現物) | $3,754.00/oz | +0.70% | 統計遅延リスクと政策不確実性のヘッジ需要 |
銀 | $44.17/oz | +0.50% | 金高連動と工業需要期待 |
銅 | $4.70200/lb | +0.04% | 中国休場期のヘッドライン待ち |
クリプト
- ビットコイン $115,300.00(+0.44%):閉鎖リスク下の分散需要。
- イーサリアム $4,250.00(+0.47%):イベント前のレンジ上限試し。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/10/03(金)米・雇用統計(9月):統計公表遅延リスクと賃金モメンタムの不確実性
- 2025/10/03(金)米・ISM非製造業(9月):価格指数の粘着度と需要の広がり
- 2025/10/04(土)中国・財新PMI(9月):サービス主導の拡張度とコスト指標
- 2025/10/07(火)米・FOMC議事要旨(9月):初回利下げ後の協議ニュアンスと次回示唆
インサイトまとめ
- クリプト軽めのヘッドライン対応とイベント前リスク管理が妥当
- 政府閉鎖リスク顕在化下の質への回帰と先物ヘッジ併用が無難
- 米大型グロースとヘルスケアの二極配分と段階利食いの併用が良さげ
- デュレーションやや長めの逢い場拾いと5–10年中心のフラット化指向が妥当
- ドル軟調レンジでのEUR段階買い・USD/JPY戻り売りの逆張り戦術が無難
- 原油戻り売り・金押し目買いのクロスアセット分散が良さげ